研究課題/領域番号 |
21K10410
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研究機関 | 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所 |
研究代表者 |
淺田 安紀子 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 衛生化学部, 研究員 (80622753)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 危険ドラッグ |
研究実績の概要 |
規制薬物に類似した化学構造を有する『危険ドラッグ』の乱用をはじめとして、薬物乱用は憂慮すべき社会問題のひとつである。本研究では、そのなかでも中枢神経抑制作用を有するオピオイド系薬物を対象に薬理活性の評価及びヒト代謝物の同定を実施する。さらに代謝物・分解物についても薬理活性評価を実施し、生体内での構造変化をも考慮した薬物の危険性について総合的な評価を行うことを目的としている。 本年度は研究対象とするオピオイド系薬物の選定および合成に取り組み、10種類のオピオイド系薬物について必要量を確保した。それらのオピオイド系薬物のうち8種類について、ヒトリコンビナント受容体を用いた機能評価試験を実施し、そのすべてが受容体アゴニストとしての活性を有することを確認した。さらに原理の異なる評価系を用いて受容体機能評価試験を行ったが、一部の化合物のアゴニスト活性はうまく測定できなかった。原因としてオピオイド系薬物溶液の濃度および溶媒(ジメチルスルホキシド)濃度、希釈系列の倍率設定もしくは用いた細胞のロットの違いによる影響が疑われた。現在、これらの条件については検討中であり、最適化された条件の下で再度同じオピオイド系薬物の活性評価を実施、結果の比較を行う予定である。 次年度からはオピオイド系薬物の合成数の増加に取り組み、その中からモデル化合物を複数選定し、ヒト代謝物同定と分解物の探索・同定に向けて準備を進める予定としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
合成完了した化合物が想定していた化合物数に達していない。また、受容体活性評価についても再度条件検討の必要性が生じたため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、評価対象となるオピオイド系薬物の数を増加させていくとともに、そのヒトオピオイド受容体活性能について、順次、複数の評価系を運用しながら明らかにする。加えて、加熱などによって構造が変化したオピオイド系薬物についても、できる限り活性評価を検討していく。 また、今後はオピオイド系薬物を用いたヒト代謝物の同定(In vitroでの代謝実験)を実施し、代謝物の構造を明らかにしていく予定としている。
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次年度使用額が生じた理由 |
参加予定学会がオンライン開催へ変更されたため、参加費用の一部が不要となった。
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