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2023 年度 実績報告書

中部アフリカにおいて蚊媒介性ウイルスの感染拡大を誘発し得る野生動物宿主の同定

研究課題

研究課題/領域番号 21K10415
研究機関長崎大学

研究代表者

阿部 遥  長崎大学, 熱帯医学研究所, 准教授 (90554353)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードアフリカ / ガボン / 野生動物 / ウイルス
研究実績の概要

本年度は、ガボン共和国において採取した野生動物検体のメタゲノム解析により検出したデングウイルスを含む蚊媒介性ウイルスについてゲノム配列を詳細に解析した。全長配列が得られたフラビウイルスの一つはBLAST解析により、ヒト病原性が十分に想定される新種のフラビウイルスであると判明している。系統解析により、このフラビウイルスは黄熱ウイルスグループに属しデングウイルス・西ナイル熱ウイルスなどからは遺伝学的に遠位に位置すること、また黄熱ウイルスグループにおいてもアフリカに古くから存在するヒト病原性ウイルスに遺伝学的に近いことが明らかになった。この新規フラビウイルスは小型哺乳類から検出されており、遺伝学的に近いウイルスも小型哺乳類が宿主と考えられていることから、中部アフリカでは小型哺乳類が主要な蚊媒介性ウイルス宿主の一つである可能性がある。さらには、検出したデングウイルスについて系統解析した結果、森林型と呼ばれる希少なウイルス種であることが判明した。これらの研究成果から、ガボンの野生動物が有する蚊媒介性ウイルスの人獣共通感染症としてのヒト感染リスクが存在することを明らかにした。特に、本研究で検出した新規のフラビウイルスはヒトに病原性があるウイルスに遺伝学的に近く、また森林型デングウイルスもヒト感染例が報告されていることから、今後これらのウイルスのヒト感染が発生しないか注意深く監視を続けていく必要があると考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (1件)

  • [国際共同研究] ランバレネ医療研究センター/ガボン熱帯生態学研究所(ガボン)

    • 国名
      ガボン
    • 外国機関名
      ランバレネ医療研究センター/ガボン熱帯生態学研究所
  • [学会発表] ガボン共和国における野生動物保有ウイルスの網羅的解析と新規フラビウイルスの同定2023

    • 著者名/発表者名
      Haruka Abe, Yuri Ushijima, Chimene Nze-Nkogue, Etienne F. Akomo-Okoue, Georgelin Nguema Ondo, Bertrand Lell, Jiro Yasuda
    • 学会等名
      第70回日本ウイルス学会学術集会

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公開日: 2024-12-25  

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