研究課題/領域番号 |
21K10429
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研究機関 | 神奈川県衛生研究所 |
研究代表者 |
櫻木 淳一 神奈川県衛生研究所, 微生物部, 部長 (90273705)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 新型コロナウイルス / ウイルス学 / 公衆衛生学 / クローニング / 人工染色体 |
研究実績の概要 |
昨年度に引き続き、神奈川県域における新型コロナウイルスの全ゲノムデータを多数入手し、研究における対象領域の検討を重ねた。神奈川県衛生研究所に搬入される検体から新型コロナウイルスの分離を試み、新たな複数のオミクロン株の分離に成功し、全ゲノム解析に供するとともに遺伝子クローニングの鋳型として調製を行った。 研究協力者である群馬大学大学院医学研究科の神谷亘教授と討論を行い、人工染色体を用いたコロナウイルスクローニングの詳細について検討するとともに、必要な機材の調達も進めた。 また、技術革新により長鎖遺伝子クローニング法の様々な新しいメソッドが商品化されてきており、そういった技術も取り入れるための検討も併せて行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
落ち着くかに見えた新型コロナウイルス流行は、変異系統の断続的な変化と感染の拡大縮小の反復というフェイズが慢性化し、過去最大の感染者数を記録する波が繰り返し押し寄せた。このため検査・対策関連の業務が増大したことで研究に割く時間が制限され、継続性も確保できなかった。さらに大腸菌人工染色体を用いた分子生物学的実験は申請者にとって経験が浅く、手法の理解と習熟という基礎的訓練に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度に入り、ようやくコロナの類型変更等、政策的にも軽快の兆しが現れてきたため、新型コロナウイルスの遺伝子クローニングと人工染色体による組換え実験に取り組む。特に2色蛍光を用いたパッケージング解析系の開発はハードルが高いが、研究の核となる技術となるので重点的に取り組みたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
前述の通り、他業務多忙のため想定より研究活動が低下したため、消費金額が過小となった。次年度以降は新規実験法導入も含め、活発な研究活動を企図している。
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