研究課題/領域番号 |
21K10453
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
鈴木 知子 国際医療福祉大学, 医学部, 講師 (60728682)
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研究分担者 |
中里 道子 国際医療福祉大学, 医学部, 主任教授 (10334195)
和田 耕治 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (30453517)
池田 俊也 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (90193200)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 発達障害 / 自閉スペクトラム症 / ADHD / メンタルヘルス / 生活習慣 / 大学生 / 労働者 |
研究実績の概要 |
今年度は、2021年度に収集した1231人の大学生を対象とした調査データに2019年度、2020年度のデータを連結して解析を行った。2021年度に国際誌に受理された論文が2022年度に発行された論文では、992人の労働者を対象として、ASD特性の強い労働者は どの仕事のストレスタイプがうつ症状のリスクが高くなるかを解析した。(Suzuki et al., Industrial Health. 2022)。今年度国際誌に受理発行された論文では、1240人の労働者を対象として、ADHD特性と社会人口学的特徴との関連を解析した。結果は過去に報告されているADHDと診断されている人の特徴と類似した結果を示した。男性、若年者、低収入、夜食摂取の頻度が多い、睡眠から十分な休息を取っていない人ほどADHD特性が強いことを示した(Suzuki et al., Neuropsychiatric Disease and Treatment 2023)。 大学生を対象にした調査では、コロナ禍の影響を加味した発達障害特性とうつ症状との関連の解析を行った。ADHD特性の強い大学生のコロナ禍のうつ症状のリスクについては、1168人の学生を対象としてADHD特性値とCOVID-19恐怖度が高いと独立して有意にうつ症状が高いことを示した(日本公衆衛生学会2022年10月発表)。さらにASD特性の強い大学生のコロナ禍のうつ症状のリスクについては、581人の学生を対象としてASD特性値とCOVID-19恐怖度が高いと独立して有意にうつ症状が高いことを、また、ASD特性値が高いとCOVID-19恐怖度が有意に高いことを示した(日本疫学会2023年2月発表)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は調査を行い収集したデータを解析して2回学会発表を行うことができた。現在、国際誌への投稿準備中である。また、既に収集済であった労働者対象のデータで国際誌へ投稿、受理することができた。しかし、COVID-19パンデミックのため、当初予定していた今年度の調査を実施することができなかったが次年度に実施予定である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、COVID-19パンデミック禍での発達障害特性とメンタルヘルスとの関連について調査、解析を行った結果を国際誌へ投稿をする。一方、COVID-19流行は収束しつつありメンタルヘルスも良好になると考えられるが、発達障害特性が強いとレジリエンスが低いといわれている。そのため、COVID-19パンデミック後である現在の発達障害特性とメンタルヘルスとの関連について実態を調査し、発達障害特性が強いとメンタルヘルスの回復状況が良くないかを検討する。本目的は、公衆衛生上、早期の予防対策に資する調査となり重要と考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19パンデミックのため、当初予定していた今年度の調査を実施することができなかったが次年度に実施予定である。
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