研究実績の概要 |
愛知県内の一地域に住む小中学生を対象に、アンケート調査、空腹時血液検査を行った。対象者は小学4年生、中学1年生、3年生、それぞれ約600~700名であった。アンケートでは、食生活、運動、睡眠、病歴や二次性徴などに加え、両親の体格、病歴、喫煙状況を尋ねた。食事摂取頻度調査を行い栄養分析をした。栄養分析には「5訂増補食品標準成分表」を用いた。でんぷん、糖類(単糖類(ぶどう糖、果糖、ガラクトース)と二糖類(しょ糖、乳糖、麦芽糖、トレハロース)の合計)を「食品標準成分表2015 炭水化物成分表」や国内外の文献(Fujiwara A, et al. J Epidemiol. 2019;29:414-23)を用いて推定した。Glycemic index、glycemic loadは文献(Atkinson FS, et al. Am J Clin Nutr.2021;114:1625-1632, Murakami K, et al. Am J Clin Nutr. 2006;83:1161-9, etc)を参考に推定した。今までに収集してきた血液と合わせて約5000検体にて空腹時インスリン値を測定した。 過去の同フィールド調査でのデータを分析し、小学1年生時に食物繊維の摂取が少なかった児では、多かった児に比べて、小学4年生時の空腹時血糖と腹囲身長比が高くなる傾向がみられた。小学1年生から4年生時に食物繊維摂取量の増加が大きかった児では、少なかった児に比べ、同期間の BMI SD-scoreの上昇が抑えられていた。また、栄養と健康影響について成人でも検討した。これらの知見を論文にて公表した。 現在、収集したデータを統合してデータクリーニングを行っている。解析用データベースを構築後、栄養と身体所見やバイオマーカーとの関連分析をすすめる。
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