研究実績の概要 |
愛知県内のある地域に住む小学生、中学生を対象に、身体計測、健康診断、食事摂取頻度調査、生活アンケート調査を行った。対象者は小学4年生、中学1年生のそれぞれ約600~700名であった。健康診断では、腹囲計測、血圧測定、空腹時採血を実施し、採取した血液中の血球値、血糖値、中性脂肪値、コレステロール値、肝機能、総蛋白を測定した。残りの研究用血清を-80℃で冷凍保存した。アンケートでは、食生活、運動、睡眠、病歴や二次性徴などに加え、両親の体格、病歴、喫煙状況を尋ねた。二次性徴は、身長スパート、体毛、にきび、声変わり・ひげ(男児)、乳房発達・初経時期(女児)を聴取した(Chan NP, et al. Matern Child Health J. 2010;14;466-73)。「五訂増補食品標準成分表」を用いて栄養素、食品群の各摂取量を推定した。でんぷん、糖類(単糖類と二糖類の合計)は「食品標準成分表2015 炭水化物成分表」や国内外の文献(Fujiwara A, et al. J Epidemiol. 2019;29:414-23)を用いて推定した。Glycemic index、glycemic loadは文献(Atkinson FS, et al. Am J Clin Nutr.2021;114:1625-1632, Murakami K, et al. Am J Clin Nutr. 2006;83:1161-9, etc)を参考に推定した。これまでに収集した血液約5000検体にて空腹時インスリン値を測定した。 過去の同フィールド調査でのデータから、小学1年生時に食物繊維の摂取が少なかった児では、多かった児に比べて、小学4年生時の空腹時血糖と腹囲身長比が高くなる傾向をみつけ論文として受理された。 収集したデータを統合し、栄養と健診所見、二次性徴との関連分析をすすめる。
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