NDBオープンデータを活用した多腺性自己免疫症候群の実態調査と診療適正化

2023 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 21K10469
• 研究機関: 神戸大学
• 研究代表者: 高橋 健太郎 神戸大学, インクルーシブキャンパス&ヘルスケアセンター, 助教 (30379367)
• 研究分担者: 井口 元三 神戸大学, 保健管理センター, 教授 (60346260)
• 研究期間 (年度): 2021-04-01 – 2024-03-31
• キーワード: 多腺性自己免疫症候群 / APS / 実態調査

研究実績の概要

多腺性自己免疫症候群（Autoimmune Polyendocrine Syndrome；APS）は、内分泌臓器だけではなく様々な臓器を横断的に障害する疾患であるため専門的治療が必要にもかかわらず、その臨床的実態は不明であり、適切な治療を提供できていない。本研究は、匿名レセプト情報の格納率が99.9％と高い悉皆性が高い厚生労働省のレセプト情報・特定健診等情報データベース（NDB）を最大限に活用し、日本人のAPSの実態把握を目的としている。
研究期間に、匿名レセプト情報収集の準備として厚生労働省のNDBの申請方法に準じて抽出項目の検討、各種マスターの整備等を行った。さらに解析環境の構築準備として、計算機サーバーなどの機器とデータ解析のためのソフトウェアの調達を行った。また引き続き、要配慮個人情報であるNDBデータを扱うためのセキュリティ要件を満たした研究施設の整備を行った。さらに、当該研究に係る文献的な検討およびエクセル表化されたサンプルデータを用いたシミュレーションおよび申請手続きを進め、匿名レセプト情報（医科入院、医科外来、DPC、調剤の各レセプト　2012年4月～2022年1月　診療月）を入手した。入手したデータ整理・解析用データセットを生成し解析を進め、得られた解析用データセットを基に機械学習および深層学習を用いた探索的データ解析を活用して、臨床データに基づいたAPS患者を見逃さないために有効な予測モデルの構築を行った。解析結果の妥当性について検討を行った。

研究成果

• [雑誌論文] The early‐stage clinical course of anti‐pituitary‐specific transcription factor‐1 hypophysitis diagnosed post‐immune checkpoint inhibitor treatment: A case with review of literature (2024)
  • 著者名/発表者名: Urai Shin、Tomofuji Seiji、Bando Hironori、Kanzawa Maki、Yamamoto Masaaki、Fukuoka Hidenori、Tsuda Masahiro、Iguchi Genzo、Ogawa Wataru
  • 雑誌名: Journal of Neuroendocrinology 巻: A17 ページ: e13395
  • DOI: 10.1111/jne.13395
  • 査読あり
• [雑誌論文] Fluctuations in plasma adrenocorticotropic hormone concentration may predict the onset of immune checkpoint inhibitor-related hypophysitis (2024)
  • 著者名/発表者名: Bando Hironori、Yamamoto Masaaki、Urai Shin、Motomura Yuma、Sasaki Yuriko、Ohmachi Yuka、Kobatake Masaki、Tsujimoto Yasutaka、Oi-Yo Yuka、Suzuki Masaki、Yamamoto Naoki、Takahashi Michiko、Fukuoka Hidenori、Iguchi Genzo、Ogawa Wataru
  • 雑誌名: Journal for ImmunoTherapy of Cancer 巻: 12 ページ: e008634～e008634
  • DOI: 10.1136/jitc-2023-008634
  • 査読あり
• [雑誌論文] Effects of the Cortisol Milieu on Tumor-Infiltrating Immune Cells in Corticotroph Tumors (2024)
  • 著者名/発表者名: Kanzawa Maki、Shichi Hiroki、Kanie Keitaro、Yamamoto Masaaki、Yamamoto Naoki、Tsujimoto Yasutaka、Bando Hironori、Iguchi Genzo、Kitano Shigehisa、Inoshita Naoko、Yamada Shozo、Ogawa Wataru、Itoh Tomoo、Fukuoka Hidenori
  • 雑誌名: Endocrinology 巻: 165 ページ: bqae016
  • DOI: 10.1210/endocr/bqae016
  • 査読あり
• [雑誌論文] The combination of doxazosin and metyrosine as a preoperative treatment for pheochromocytomas and paragangliomas (2024)
  • 著者名/発表者名: Ohmachi Y, Yamamoto M, Inaba Y, Makino S, Urai S, Matsumoto R, Bando H, Kanie K, Tsujimoto Y, Motomura Y, Sasaki Y, Oi-Yo Y, Yamamoto N, Suzuki M, Takahashi M, Iguchi G, Kanzawa M, Furukawa J, Shigemura K, Mizobuchi S, Ogawa W, Fukuoka H.
  • 雑誌名: Endocrine 巻: 84 ページ: 694～703
  • DOI: 10.1007/s12020-023-03681-4
  • 査読あり
• [雑誌論文] Clinical features of anti-pituitary-specific transcription factor-1 (PIT-1) hypophysitis: a new aspect of paraneoplastic autoimmune condition (2023)
  • 著者名/発表者名: Urai Shin、Iguchi Genzo、Kanie Keitaro、Bando Hironori、Yamamoto Masaaki、Oi Yuka、Kashitani Yuya、Iida Keiji、Kanzawa Maki、Fukuoka Hidenori、Takahashi Michiko、Shintani Yasushi、Ogawa Wataru、Takahashi Yutaka
  • 雑誌名: European Journal of Endocrinology 巻: 190 ページ: K1～K7
  • DOI: 10.1093/ejendo/lvad179
  • 査読あり
• [雑誌論文] Paraneoplastic isolated adrenocorticotropic hormone deficiency revealed after immune checkpoint inhibitors therapy: new insights into anti-corticotroph antibody (2023)
  • 著者名/発表者名: Urai Shin、Watanabe Miki、Bando Hironori、Motomura Yuma、Yamamoto Masaaki、Tachihara Motoko、Kanzawa Maki、Fukuoka Hidenori、Iguchi Genzo、Ogawa Wataru
  • 雑誌名: Frontiers in Immunology 巻: 14 ページ: 1284301
  • DOI: 10.3389/fimmu.2023.1284301
  • 査読あり
• [雑誌論文] Combined Hypophysitis and Type 1 Diabetes Mellitus Related to Immune Checkpoint Inhibitors (2023)
  • 著者名/発表者名: Fujita Y、Kamitani F、Yamamoto M、Fukuoka H、Hirota Y、Nishiyama N、Goda N、Okada Y、Inaba Y、Nakajima H、Kurematsu Y、Kanie K、Shichi H、Urai S、Suzuki M、Yamamoto N、Bando H、Iguchi G、Suto H、Funakoshi Y、Kiyota N、Takahashi Y、Ogawa W
  • 雑誌名: Journal of the Endocrine Society 巻: 7 ページ: bvad002
  • DOI: 10.1210/jendso/bvad002
  • 査読あり
• [雑誌論文] コロナ禍における「こころの健康相談」新規来所者の診断分類の変化について (2023)
  • 著者名/発表者名: 近藤 泰子, 足立 祥, 毛利 健太朗, 楠田 康子, 飛松 崇子, 高橋 健太郎, 井口 元三, 林原 礼子, 長尾 伸子, 大崎 絵里子, 寺内 千春, 菅尾 有紀子, 別祖 香代, 和田 矩子, 山本 泰司
  • 雑誌名: CAMPUS HEALTH 巻: 60 ページ: 269-271
• [雑誌論文] コロナ禍前後の大学生における体重変化の実態 神戸大学での検討 (2023)
  • 著者名/発表者名: 飛松 崇子, 井口 元三, 楠田 康子, 林原 礼子, 近藤 泰子, 長尾 伸子, 大崎 絵里子, 寺内 千春, 菅尾 有紀子, 別祖 香代, 和田 矩子, 足立 祥, 毛利 健太朗, 高橋 健太郎, 山本 泰司
  • 雑誌名: CAMPUS HEALTH 巻: 60 ページ: 124-125
• [雑誌論文] 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による環境変化が教職員に与えた精神的ストレスの評価 (2023)
  • 著者名/発表者名: 毛利 健太朗, 足立 祥, 飛松 崇子, 高橋 健太郎, 井口 元三, 楠田 康子, 林原 礼子, 近藤 泰子, 長尾 伸子, 大崎 絵里子, 寺内 千春, 菅尾 有紀子, 別祖 香代, 和田 矩子, 藤平 和弘, 谷藤 貴紀, 青山 慎介, 山本 泰司
  • 雑誌名: CAMPUS HEALTH 巻: 60 ページ: 75-76
• [雑誌論文] 再雇用就労における産業医の役割について 10年間の集計結果より (2023)
  • 著者名/発表者名: 藤平 和弘, 飛松 崇子, 高橋 健太郎, 足立 祥, 毛利 健太朗, 楠田 康子, 林原 礼子, 近藤 泰子, 長尾 伸子, 大崎 絵里子, 寺内 千春, 菅尾 有紀子, 岡本 眞知子, 三村 祐子, 和田 矩子, 別祖 香代, 篠原 正和, 井口 元三, 山本 泰司
  • 雑誌名: CAMPUS HEALTH 巻: 60 ページ: 69-71
• [学会発表] 神戸大学の学生における希死念慮の状況およびK6スコアとの関連 (2023)
  • 著者名/発表者名: 山本 泰司, 足立 祥, 楠田 康子, 林原 礼子, 近藤 泰子, 長尾 伸子, 大崎 絵里子, 別祖 香代, 和田 矩子, 飛松 崇子, 高橋 健太郎, 江口 典臣, 井口 元三
  • 学会等名: 第61回全国大学保健管理研究集会
• [学会発表] コロナ禍におけるこころの健康相談新規来所者の診断分類(第2報) (2023)
  • 著者名/発表者名: 林原 礼子, 足立 祥, 楠田 康子, 近藤 泰子, 長尾 伸子, 大崎 絵里子, 別祖 香代, 和田 矩子, 江口 典臣, 飛松 崇子, 高橋 健太郎, 井口 元三, 山本 泰司
  • 学会等名: 第61回全国大学保健管理研究集会
• [学会発表] 神戸大学の学生におけるコロナ禍前後でのBMI変化の検討(第2報) (2023)
  • 著者名/発表者名: 飛松 崇子, 井口 元三, 楠田 康子, 林原 礼子, 近藤 泰子, 長尾 伸子, 大崎 絵里子, 別祖 香代, 和田 矩子, 足立 祥, 江口 典臣, 高橋 健太郎, 山本 泰司
  • 学会等名: 第61回全国大学保健管理研究集会