研究課題/領域番号 |
21K10471
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
森岡 久尚 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (90871294)
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研究分担者 |
岩佐 武 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (00707903)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 母子保健 / 生殖補助医療 |
研究実績の概要 |
日本産科婦人科学会(以下「学会」という。)が運用する生殖補助医療データベース、周産期登録データベースのデータ活用を申請し、2014年から2018年までに学会に登録された生殖補助医療と周産期(分娩)のデータ(5年分)を入手した。また、データを解析する環境の整備(データ取扱専用ルームの確保、ワークステーションの設置等)を行った。 生殖補助医療のデータは、学会の登録施設で実施された生殖補助医療の全数(454,975治療周期(2018年)、そのうち妊娠に至った治療周期は55,809周期)が登録されている一方で、周産期(分娩)のデータは 24,0987件(2018年)で日本の分娩件数の約25%の登録にとどまっていることを確認した。両データの内容(項目)の確認を進め、データの一部についてクリーニングを進めるとともに、両データの連結に必要な共通の項目についても確認を行っている。 生殖補助医療データの大半が分娩に至らない本研究にとって必要のないデータであるとともに、周産期のデータの項目が大変多く、項目絞って進めていく必要があると考えられた。また、先行研究を踏まえ、妊産婦の産科合併症及び胎児・新生児の異常(死亡含む)うち、生殖補助医療との関連を解析する疾病や異常について検討を行った。 今後は、生殖補助医療、周産期医療だけではなく新生児医療の専門家も研究チームに迎え、新生児・胎児の異常の詳細との関連の検証を行うこととしている。また、検証が比較的容易な仮説から優先的に取り組んでいくことも検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
生殖補助医療と周産期(分娩)のデータともに、登録項目(カラム)が多く、また登録内容の空欄が多いこと、アナログデータ(症状の記述や単語)の記入があること、一つの登録項目(欄)に複数の情報が入力されていることからクリーニングに時間を要している。また、もともとデータが膨大であること(年間で約70万件の情報、5年分)や、生殖補医療のデータは妊娠の成立に至らなかった情報が多く含まれていることも影響している。データを入手してから1年が経過していない段階で、大きなトラブルは生じていないが、慎重に評価を行い区分を選択した。
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今後の研究の推進方策 |
これまで生殖補助医療と周産期医療に携わる産婦人科医と協力しつつ、検討を進めてきたが、新生児・胎児の異常との関連の詳細について解析を進めるため、新生児医療を専門とする医師を研究協力者として加える。そして、検証すべき仮説(生殖補助医療の内容と妊婦や新生児・胎児の異常等との関連)を精査して、ターゲットを絞って研究を進める。明らかに不要であると考えられる登録項目(カラム)はクリーニング前に削除することを検討する。さらに、生殖補助医療と周産期(分娩)のデータの連結を行わなくても検証することが可能な仮説を優先的に解析することも検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
解析を行うデータの受け取りが年度途中であり、そのデータの内容の確認に時間を要していることから次年度に予算をまわすこととなった。また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により旅費等が当初の見込みよりも少なくなったため、次年度使用額が生じた。今後は、データ解析のための機器整備、新生児科の医師との協議のための旅費等で当初2年目に見込んだ金額よりも多く支出する予定である。
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