研究課題/領域番号 |
21K10476
|
研究機関 | 北海道千歳リハビリテーション大学 |
研究代表者 |
森 満 北海道千歳リハビリテーション大学, 健康科学部, 教授 (50175634)
|
研究分担者 |
小川 峻一 北海道千歳リハビリテーション大学, 健康科学部, 助教 (40802939)
世古 俊明 北海道千歳リハビリテーション大学, 健康科学部, 准教授 (80808147)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | COVID-19 / Social capital / Locus of control / physical health / mental health / cross-sectional study |
研究実績の概要 |
COVID-19感染症の流行による生活習慣の変化による健康への影響を明らかにし、その影響を減弱するための方策を考案することを目的に、北海道千歳市民を対象とした調査研究を行った。2021年10月から11月に、千歳市役所から調査対象候補者へ、説明書、同意書、調査票を郵送した。研究に同意した調査対象者は、北海道千歳リハビリテーション大学へ記入した同意書と調査票を郵送した。調査した項目は、年齢、性別のほか、生活習慣、コロナ禍での生活習慣などの変化、社会関連資本(信頼関係、社会的支援、社会的参加)、趣味活動、自己制御感(内的制御感、外的制御感)、コーピング、身体的健康度、精神的健康度、既往歴などであった。調査対象候補者3,000人のうち、転出などが判明した13人を除いた2,987人に調査への協力依頼をした結果、1,430人から文書での同意をいただき、調査票への回答をいただいた(回答率47.9%)。調査対象者の平均年齢は56.2歳(標準偏差14.1)で、年齢の範囲は30歳から79歳までであった。また、男性712人(49.8%)、女性718人(50.2%)であった。男性でも女性でも年齢区分が低い方でも高い方でも、社会的支援があること、あるいは、社会参加をしていることが、身体的健康度不良リスクの低下と有意に関連し、また、精神的健康度不良リスクの低下とも有意に関連していた。男性でも女性でも年齢区分が低い方でも高い方でも、内的制御感が強いことが、身体的健康度不良のリスクの低下と有意に関連し、また、精神的健康度不良リスクの低下とも有意に関連していた。男性でも女性でも年齢区分が低い方でも高い方でも、外的制御感が強いことが、身体的健康度不良のリスクの上昇と有意に関連し、また、精神的健康度不良リスクの上昇とも有意に関連していた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究発表欄に示したように、今回の研究の仮説を総説として、専門誌に掲載することができた。そして、3年間の調査研究のうちの第1回目の調査を実施し、今回の研究仮説と符合した結果を得ることができた。さらに、コロナ禍の国内外でも、今回の研究結果と符合する報告が散見されることを確認した。従って、おおむね予定通りに進んでおり、2022年度と2023年度に、同じ研究対象者に対して同様の調査研究を実施して、さらに研究の質を高めていく予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
今後、2022年度と2023年度に、同じ研究対象者に対して同様の調査研究を実施する予定である。2021年度から3年間、継続的に調査することによって、新型コロナウイルス感染症流行の勃発時期からの1年後、2年後、3年後という時系列的変動を把握する予定である。社会関連資本(信頼関係、社会的支援、社会的参加)、自己制御感(内的制御感、外的制御感)などの各要因が身体的健康度、精神的健康度へ与える影響を総合的に検討する。健康指標を含めた種々の要因を年1回、3年間繰り返し測定して、反復測定データの分散分析法(Repeated Measures ANOVA)によって、経年的変化を検討する予定である。
|