研究課題
本研究では、脳卒中多発地域である岩手県北・沿岸地域住民26,469人を対象として2002年から追跡調査を継続実施している、岩手県北地域コホート研究(県北コホート研究)を基盤とし、岩手県地域脳卒中登録事業のデータを用いて同定された脳卒中発症情報と、機能障害の指標として介護保険における要介護区分を用いて、一般化推定方程式により、①脳卒中発症後の要介護区分の推移を明らかにするとともに、②脳卒中発症後の要介護区分の推移に影響を及ぼす、発症前の生活習慣や健診所見を明らかにする。県北コホート研究の対象地域は岩手県北部・沿岸の二戸、久慈、宮古の3保健医療圏である。県北コホート研究では追跡調査として、2002年度から2017年度まで住民基本台帳の閲覧及び住民票照会による生死・転出情報、人口動態調査票の二次利用申請による死因情報、介護保険制度による要介護認定情報、岩手県地域脳卒中登録事業及び岩手県北・沿岸心疾患発症登録協議会の登録データとの照合による脳卒中及び心疾患(心筋梗塞、心不全、急性死)の発症情報を追跡してきた。2023年度は県北コホート研究の追跡調査を継続した。具体的には、対象地域のうち二戸地域及び久慈地域において住民異動調査及び要介護認定情報の収集を行った。独自に開発した名寄せシステムによって照合されなかった参加者については、住民票(除票)請求を行った。また宮古地域においては対象4市町村と打合せを実施し、住民異動情報及び要介護認定情報の収集を行う準備を行った。
3: やや遅れている
本研究は対象地域の行政機関と連携して実施している。2022年度中に住民異動情報を収集する準備が整った二戸及び久慈地域では予定通り情報を収集した。一方、宮古地域では対象4市町村において情報収集に係る準備が整わなかったため、情報収集は2023年度に見送った。
宮古地域における情報収集については対象4市町村すべてで情報収集に係る準備が整ったため、2024年度は住民異動情報及び要介護認定情報を収集する。また二戸地域及び久慈地域では収集された住民異動情報及び要介護認定を含む追跡データの整理を行う。
2023年度は二戸地域及び久慈地域の住民票(除票)請求のために研究費を使用したが、宮古地域では住民異動調査及び要介護認定情報の収集が出来なかったため、次年度使用額が生じた。2024年度は宮古地域における情報収集、及び、二戸・久慈地域で収集された住民異動情報及び要介護認定情報のデータ整理等にかかる人件費として使用する予定である。
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