研究課題/領域番号 |
21K10485
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
奥田 真珠美 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (40531091)
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研究分担者 |
藤野 哲朗 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (00867400)
間部 克裕 独立行政法人国立病院機構函館病院(臨床研究部), 臨床研究部, 客員研究員 (10596654)
菊地 正悟 愛知医科大学, 医学部, 教授 (40224901)
垣内 俊彦 佐賀大学, 医学部, 病院講師 (50737864)
加藤 元嗣 独立行政法人国立病院機構函館病院(臨床研究部), 臨床研究部, 名誉院長 (60271673)
梶 恵美里 大阪医科薬科大学, 医学部, 助教 (80869602)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 中学生ピロリ菌検査 / 胃がん予防 / 除菌治療 |
研究実績の概要 |
ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)はヒトの胃内に感染する細菌で、主に乳幼児期に感染が成立する。多くの場合無症状で感染が持続し、胃の慢性炎症が進行、胃粘膜萎縮などの変化をもたらし、胃癌が発生する。ピロリ菌感染者で男性は85歳までに胃がんに罹患するのは約17%、女性では7.7%、一方、非感染者ではそれぞれ1.0%、0.5%と推計されている。ピロリ菌の除菌治療を行なって除菌に成功すると胃がんの発症が抑制され、萎縮が進まないうちに除菌する方が胃がんの予防効果が高い。検査は高い受検率を確保する事が重要で学校(特に義務教育の期間)を利用した検査が平等で効率的である、学童・青年期に萎縮に進展している症例は稀でなく、萎縮性胃炎前の除菌として中学生でのスクリーニング検査と除菌治療を実施する自治体が多くなっている。本研究では全国自治体1,740件に『中学生ピロリ菌検査と除菌治療』に関するアンケート調査を実施し、実施状況や実施方法について検討した。1740件のうち850件(48.8%)から回答を得た。中学生ピロリ菌検査を実施している105自治体、高校生・社会人に対して行っている16、中止した4、行う予定6であった。中学生ピロリ菌検査について、全国の対象者数を合算すると51,788名/年であった。ピロリ菌検査の対象学年は中学1年生5、2年生62、3年生44、その他4(重複あり)であった。一次検査は尿中ピロリ菌抗体測定93、血清抗体10、便中抗原3、二次(精密)検査は尿素呼気試験70、便中抗原32であった。ピロリ菌感染が確定した場合の除菌治療について、本人と保護者が希望した場合除菌治療をおこなうは79自治体であった。我々は2015年にも同様の全国自治体アンケート調査を実施したが、その時点で実施している自治体は18であった。日本において、中学生ピロリ菌検査が広まってきていることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍があけてから、全国自治体に余裕ができたと判断してから調査を実施した。調査は終了し、まとめも行った。現在、回答をいただいた自治体に回答をいただいたお礼と集計結果を送付する準備中である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題はほぼ完了している。今後、学会発表や論文作成を行い、結果を公表、周知していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍で調査ができなかったため、調査時期が遅くなったため、次年度使用額が生じた。 調査に協力をいただいた自治体への結果報告の費用、成果発表の旅費に使用する予定。
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