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2022 年度 実施状況報告書

周産期死亡症例のピアレビューによる死亡回避を目指した提言策定とその啓発

研究課題

研究課題/領域番号 21K10494
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

越田 繁樹  滋賀医科大学, 医学部, 特任講師 (70372547)

研究分担者 高橋 健太郎  滋賀医科大学, 医学部, 客員教授 (20163256)
所 伸介  滋賀医科大学, 医学部, 助教 (20613475)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード周産期死亡 / 死産 / 新生児死亡 / 死亡回避 / 提言
研究実績の概要

本研究目的は、県内の全周産期死亡例の「ピアレビュー」により得られた死亡回避の為の「提言」の有効性を検証することである。
2022年度は計4回(2022.4/21、5/26、6/23、7/21)にわたり症例検討会を開催し、2020年の県内周産期死亡症例(後期死産21例、新生児死亡11例)を検討した。解析不能例を除くと回避可能と判断された症例はなかった。回避可能と判定された死産症例はなかったが、死産回避のための提言として、妊婦の胎動減少時の速やかな受診、妊婦の未受診抑制、子宮内胎児発育遅延症例の早期紹介、超緊急の分娩体制の確立が課題としてあげられた。新生児死亡回避のための課題として適切な新生児蘇生の施行があげられた。また2021年の滋賀県の周産期死亡率は1.68/1000出生であり全国平均(3.38/1000出生)に比べて最も低かった。滋賀県における各指標の経年的推移を全国平均値と比較したこところ、後期死産率は経年的に大きく低下し、2016年および2021年に全国最低値であった。新生児死亡率は全国平均付近に低下する傾向がみられた。
次に、2007年から2021年の15年間を、5年毎の3期(前期、中期、後期)に分けて滋賀県の周産期死亡関連指標を全国平均と比較した。各期間における死産率および新生児死亡率の県別平均値を散布図上で検討した。その結果、滋賀県は前期において死産率および新生児死亡率ともに全国平均を大きく上回っていたが、中期では両指標は全国平均に近づき、後期には新生児死亡率は全国平均付近、死産率は全国平均を下回った。
この結果は本研究施行前のデータとして今後の研究結果を評価する上で有用な比較対象となりうるため、来年度以降も周産期死亡症例検討により死亡回避のための提言を地域の医療従事者へ啓発することで、回避が可能な周産期死亡が減少する効果が期待できる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定通りに周産期死亡症例検討会を実施しており、死亡回避の提言を抽出できているため順調に進展している。また、人口動態統計調査結果を用いた分析も進んでいる。

今後の研究の推進方策

2023年度も定期的に周産期死亡症例検討会を実施する予定である。死亡回避の提言を抽出し、地域の医療従事者へその提言を啓発する。また、人口動態調査における滋賀県の周産期死亡数の推移を確認する。

次年度使用額が生じた理由

(理由)より効率的に使用するため今年度の残額を残した。
(使用計画)今年度の計画に基づき、効率的に使用する。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Insufficient antenatal identification of fetal growth restriction leading to intrauterine fetal death: a regional population-based study in Japan2023

    • 著者名/発表者名
      Tokoro Shinsuke、Koshida Shigeki、Tsuji Shunichiro、Katsura Daisuke、Ono Tetsuo、Murakami Takashi、Takahashi Kentaro
    • 雑誌名

      The Journal of Maternal-Fetal & Neonatal Medicine

      巻: 36 ページ: 1-4

    • DOI

      10.1080/14767058.2023.2167075

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Highest concentration of breast‐milk‐derived exosomes in colostrum2022

    • 著者名/発表者名
      Ohta Motoki、Koshida Shigeki、Jimbo Itsuki、Oda Machi、Inoue Ryo、Tsukahara Takamitsu、Terahara Masaki、Nakamura Yoshitaka、Maruo Yoshihiro
    • 雑誌名

      Pediatrics International

      巻: 64 ページ: -

    • DOI

      10.1111/ped.15346

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Increased Difficulties in Maternal Perception of Decreased Fetal Movement in Cases of Severe Fetal Growth Restriction: A Population-Based Study in Japan2022

    • 著者名/発表者名
      Tokoro Shinsuke、Koshida Shigeki、Tsuji Shunichiro、Katsura Daisuke、Ono Tetsuo、Murakami Takashi、Takahashi Kentaro
    • 雑誌名

      The Tohoku Journal of Experimental Medicine

      巻: 257 ページ: 17~22

    • DOI

      10.1620/tjem.2022.J021

  • [学会発表] 滋賀県新生児死亡症例の検討からみた死亡回避の可能性2023

    • 著者名/発表者名
      越田繁樹 髙橋健太郎
    • 学会等名
      第36回近畿小児科学会
  • [学会発表] 集中治療選択が18トリソミー児の生命予後に与える影響:単施設後方視的観察研究2023

    • 著者名/発表者名
      越田 繁樹
    • 学会等名
      第35回京滋新生児成育研究会
  • [学会発表] 早産児における血清エキソソームの経時的推移をみた前方視的研究2022

    • 著者名/発表者名
      太田 宗樹, 吉田 大輔, 中原 小百合, 古川 央樹, 柳 貴英, 越田 繁樹
    • 学会等名
      第58回日本周産期新生児医学会
  • [学会発表] 死産症例解析からみた胎児発育不全と妊婦胎動減少自覚の関連2022

    • 著者名/発表者名
      所 伸介, 越田 繁樹, 辻 俊一郎, 桂 大輔, 小野 哲男, 村上 節, 高橋 健太郎
    • 学会等名
      第58回日本周産期新生児医学会
  • [学会発表] 胎動カウント普及による胎動減少自覚後の妊婦の行動変容2022

    • 著者名/発表者名
      越田 繁樹, 高橋 健太郎
    • 学会等名
      第58回日本周産期新生児医学会

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公開日: 2023-12-25  

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