研究課題/領域番号 |
21K10497
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
奥田 昌之 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (50274171)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 脂肪酸 / アミノ酸 / 栄養摂取 / 小児 / 心血管疾患リスク / 糖代謝 / 鉄代謝 / 児童生徒 |
研究実績の概要 |
児童・生徒において摂取するアミノ酸や脂肪酸の構成が、生活習慣病リスク、心血管リスクに影響するという仮説を検証することが本研究課題である。3年計画のうち最初の2年間の計画は、保有している血清試料の分析を行うことと、データ解析の準備を行うことであった。2年間で2867件の血清からインスリン、フェリチン、トランスフェリン、CRPの濃度を分析した。インスリンの濃度は、平均6.00 μIU/mLで、1 IU/mL=6.945 pmol/Lで換算すると、平均41.6 pmol/Lとなり、第1、第3四分位はそれぞれ26.2、51.5 pmol/Lであった。採血はすべて学校で午前8時半以降に行っていた。空腹時採血をお願いしていたので、朝食欠食を推進する学校では普段通りの食事の上で、午前10時以降の採血をスケジュールしていたところもあった。採血には朝食摂取の有無を確認していた。朝食摂取の有無、採血時間を群分けしたところ、どの群でもインスリン濃度は最大値100 pmol/Lを超え、平均も四分位範囲はほとんど同じであった。ただ朝食摂取で午前10時以降の採血では平均値も中央値よりもやや低かった。インスリン抵抗性HOMA-IRを計算すると平均1.36で、四分位範囲は0.84-1.67であった。β細胞機能HOMA-βは平均78.4%で、四分位範囲は49.3-96.5%であった。午前10時以降に採血しても朝食を摂取していると、インスリン感受性が高く、β細胞機能が低い傾向があり、解析対象者を選別すべきであった。フェリチン、トランスフェリンから鉄欠乏の可能性のある人がいた。非常に大きなCRPの人がおり除外すべきである。アミノ酸、脂肪酸のデータ解析は、構成成分分析のほか、変数が多いので部分的最小二乗回帰PLS回帰を試みることとした。最終解析のための知見を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画3年間のうち2年間で血清試料の分析を行う予定としていた。この2年間で1,000件以上の試料を分析し、得られたデータは今後の解析に用いる質があること、測定値の分布に外れ値が少ないことが確認できたので、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
得られた血清分析のデータおよび調査の基本測定項目として得られている血圧、血清脂質、血糖、肝機能、体格指数の数値から、それぞれの単一変数あるいは合成変数(メタボリックシンドロームなど)を目的変数としてデータ解析を行う。説明変数は、食事調査である簡易型自記式食事歴法質問法BDHQから得られた摂取栄養素で、その中から、脂肪酸組成、アミノ酸組成、糖組成という新たな変数を作成し、それぞれ別のモデルとして関連性を解析する。解析結果を論文、学会発表として公表する準備を行う。得られる知見から児童、生徒の健康的な食事習慣について提案できるようにまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究費はもっぱら血清分析に使用予定で、ほとんど血清分析に用いてきた。費用に合わせて試料分析をするよりも、まとめて分析できる試料で分析を行った。不足のないようにするため、使用額が予定使用額よりも少なくなった。最終年度には追加で試料分析を行うとともに、論文の作成のために研究費を使用する。
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