研究課題/領域番号 |
21K10512
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
喜多 涼介 福岡大学, 医学部, 講師 (10578777)
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研究分担者 |
近藤 誠二 福岡大学, 医学部, 教授 (10432634)
有馬 久富 福岡大学, 医学部, 教授 (20437784)
仲村 佳彦 福岡大学, 医学部, 講師 (20632201)
高田 徹 福岡大学, 医学部, 教授 (90268996)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 人工呼吸器関連肺炎 / 細菌叢 / 口腔内細菌叢 / 腸内細菌叢 / 次世代シーケンサー |
研究実績の概要 |
人工呼吸器関連肺炎(ventilator-associated pneumonia:VAP)は集中治療室(intensive care unit:ICU)内の医療関連感染症としては最多で,1000人工呼吸器 管理当り1.2~8.5症例発症し,人工呼吸器管理期間や入院期間を延長するだけではなく,死亡率が20~55%上昇すると報告されている. 消化管の入り口である口腔を含めた口腔-腸内細菌叢のdysbiosis(細菌叢の破綻)が, 腸管免疫を介してVAPを惹起するという仮説を立てた. 我々はICUに入室, 人工呼吸器管理となった重症患者の口腔、および腸内細菌叢の微生物相解析を行い, 口腔-腸内細菌叢microbiotaの遺伝的構成を次世代シークエンサーを駆使してメタゲノム解析を行う. その中からVAPを発症した患者を抽出し, 口腔-腸内細菌叢dysbiosisに特徴があるか検討している. 外傷,脳卒中,敗血症に対して当院救命救急センターで入院加療中の患者を対象に定期的(入院時,1週,2週,3週)に施行している監視培養(唾液,便)を施行し,培養後の余剰検体が対象である.また,診療録から各種血液検査データを取得している.令和3年度は,取得した検体が適正である事を確認できた.前年度は、Covid-19感染症の影響で検体収集、解析が思うように進まなかった。当該年度は目標にしていた180検体以上が収集できたため次世代シーケンサーによる解析を行った。本年度は解析した内容について学会発表、論文発表を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当院救命救急センター入院中の患者を対象としているが、Covid-19感染症拡大に伴い対象患者が減少した事が理由である。特に当院はECMOセンターを有しているため、Covid-19患者の病床が拡大された。それに従い対象患者が減少したため検体収集が予定通り進まなかった。 令和5年度からは順調に検体収集できたものの一定数に達しなかったため延長申請を行った。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度末に収集した188検体を次世代シーケンサーによるメタゲノム解析を行った。解析結果とカルテ上の臨床データベースを対応させ、VAP患者の口腔内、腸内細菌叢と免疫破綻について調査・検討する。検討した内容に関しては2024年11月に日本口腔外科学会で発表予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今回解析した検体以外にも、収集した検体があるため期間内に有効な検体の解析を100検体程進めてていく予定である(11,000/1検体)。また学会発表、論文発表に対して支出を予定している。
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