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2022 年度 実施状況報告書

都市部地域住民を対象とした、低T3症候群と心血管疾患発症・死亡に関する追跡研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K10513
研究機関国立研究開発法人国立循環器病研究センター

研究代表者

河面 恭子  国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医師 (40784153)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード低T3症候群 / FT3 / 甲状腺機能 / 心血管疾患 / 死亡
研究実績の概要

本年度は、2002、2003年度の健診受診者3538人のうち、甲状腺疾患にて治療中の20人を除外した3518人(男性1607人、女性1911人)について、横断的に解析した。
FT3、FT4、TSHの基準値(三菱化学BCL)は、FT3:2.1-4.1pg/ml、FT4:1.0-1.7ng/dl、TSH:0.436-3.78μU/mlとされている。FT4、TSHの値で男女別に甲状腺機能を分類すると、甲状腺機能正常:男1370人(85.3%)、女1680人(87.9%)、潜在性甲状腺機能低下症:男162人(10.1%)、女139人(7.3%)、潜在性甲状腺機能亢進症:男37人(2.3%)、女41人(2.1%)、甲状腺機能低下症:男32人(2.0%)、女31人(1.6%)、甲状腺機能亢進症:男2人(0.1%)、女11人(0.6%)、その他の甲状腺機能異常:男4人(0.2%)、女9人(0.5%)と、これまでの健診などでの報告と大きな違いは見られなかった。一方で、FT3が基準値より低値となる低T3に合致するのは1%未満であり、既報の心血管疾患患者における頻度(20-60%)と比較するとかなり少なかった。そこで本研究では、男女別にFT3を四分位に分けて第1四分位の上位5%までを低T3と定義したところ、男性は、Q1(=低T3:1.3-2.5pg/ml,56人)、Q2(2.6-2.9pg/ml,337人)、Q3(3.0-3.1pg/ml,353人)、Q4(3.2-3.3pg/ml,371人)、Q5(3.4-6.4pg/ml,490人)、女性は、Q1(=低T3:1.7-2.5pg/ml,82人)、Q2(2.6-2.8pg/ml,387人)、Q3(2.9-3.0pg/ml,540人)、Q4(3.1-3.2pg/ml,513人)、Q5(3.3-8.5pg
/ml,389人)に分けられた。Q1はQ2-Q5と比較して、男性ではアディポネクチンが有意に高く、年齢・HDL-Cが高く、BMI・腹囲、中性脂肪が低い傾向にあった。女性ではHDL-Cや高感度CRPが有意に高く、アディポネクチンも高い傾向にあった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、FT4、TSHの値から甲状腺機能低下症などの甲状腺機能異常について分類し有病率を観察するとともに、FT3と代謝関連指標や血液検査項目との関連を横断的に解析した。予定通り、順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

FT3と心血管疾患発症・死亡との関連を縦断的に解析する。

次年度使用額が生じた理由

本年度はパイロット的に解析を進めたため、既存の解析ソフトやメモリーで対応可能であった。また、論文校閲・投稿費用も不要であった。次年度は本格的に解析を完了するため、本年度予算繰越分を使用予定である。

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公開日: 2023-12-25  

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