研究課題/領域番号 |
21K10523
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
中川 真由美 鳥取大学, 医学部, 准教授 (00243410)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | HRM法 / トリアレルSNP |
研究実績の概要 |
法医学分野でしばしば行われるDNA鑑定は、変性した微量の試料を対象とすることがある。DNA鑑定で用いられるSTR(Short Tandem Repeat)は100-450bpくらいの長さであるため変性のひどいDNAの場合再現性のある結果が得られにくい。これに対し一塩基多型(Single Nucleotide Polymorphism:SNP)は多型性は低いもののゲノム上に非常に多く存在し、短い断片でも解析が可能で変性試料にも有用性が高い。SNPはほとんどがバイアレルであるが、本研究では識別能がより高いトリアレルSNPを対象として、HRM法を用いた簡便で迅速な解析システムの確立を目指している。 令和3年度には、本研究で解析対象とするトリアレル多型部位として、データベースなどから、日本人を中心とした東アジアの集団においてマイナーアレルの頻度が高い部位10か所程度を選択した。その後それらについてAPLP法やシークエンス法などで日本人DNAのタイピングを行い、マイナーアレルの頻度が10%を超えたSNPについて、HRM法による解析が行えるようプライマー作製をはじめとした解析条件を整えていく予定だった。しかし、HRM解析に用いるリアルタイムPCR装置の作動にやや問題があり、確認などに時間がかかり開始が遅れた。令和4年度は、新型コロナウイルス感染流行の影響で研究時間がやや確保しにくかったこと、自身の健康上の問題、また、HRM解析に用いるリアルタイムPCR装置の故障などから思うように研究が進められず、APLP法などによるアレルの解析は進められたが、HRM法での解析はほとんど進められなかった。令和5年度初旬にリアルタイムPCR装置が使用できるようになる予定であり、HRM法による解析を本格的に進めていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染流行により、教育やその他のことで時間をとられることもあり、通常に比べ研究に費やす時間の確保が難しかった。また、健康上の問題で研究をすすめにくい時期があった。さらに、HRM解析に用いる予定のリアルタイムPCR装置が故障し、解析が行えなかった。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染流行もおさまりつつあり、対応に追われる可能性もなくなってきた。また、自身の健康問題も落ち着き、研究を進められる状況になった。リアルタイムPCR装置も令和5年度初め頃には使用可能になると思われる。令和5年度は、令和4年度に引き続き、解析候補のトリアレルSNP部位について、他法での確認、HRM解析への適用を試み、日本人サンプルの解析を行いたいと思う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染流行により研究時間の確保が通常より難しかったこと、自身の健康上の問題、リアルタイムPCR装置の故障などにより思うように研究を進めることができず、次年度使用額が生じた。新型コロナウイルス感染流行も落ち着いてきたため、令和5年度は4年度に比べて研究時間が確保できると考える。解析候補のトリアレルSNP部位について、他法での確認、HRM解析への適用を行い、日本人サンプルの解析など積極的に研究を進めていきたいと考える。
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