研究課題/領域番号 |
21K10534
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
金涌 佳雅 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (80465343)
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研究分担者 |
平川 慶子 日本医科大学, 医学部, 非常勤講師 (30165162)
崔 范来 日本医科大学, 医学部, 助教 (60424751)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | qNMR / 法医中毒学 |
研究実績の概要 |
死体検案や司法解剖等の法医実務における死因究明を適切に進めるため、死体の血液や尿等からの薬化学検査は必須的な検査として位置づけられる。実際、異状死例において、当初、薬毒物の関与がないと思われた事例でも、分析検査の結果、中毒死あるいは薬毒物の影響・関与と認められる事例は少なくない。法医中毒学の分野では、さまざまな分析技術が開発され、実務に応用されている。そのような中で、従来、高分子物質の構造分析等に用いられることの多い核磁気共鳴(NMR)分析技術を、成分の純度や濃度の定量分析に応用する、qNMR法が開発され、実用化されつつある。qNMR法では、一般的な定量分析に必要とされる標準試薬が必要では無いこと、分析法によっては試料の前処理が不要であり、非破壊的であること、分析原理から1次分析に位置づけられ信頼性が高いことなどの点があり、法医中毒学的分析への応用も十分期待できる。 本課題では、解剖時に採取した血液試料等を対象に、qNMR法と従来の薬毒物分析技術により、定量分析を実施し、法医実務への有用性、定量結果の精度・信頼性などの評価・検討することとした。 本年度は、必要な分析環境の整備を進めると共に、分析手法の検討を、昨年度より更に推進させた。実サンプルの予備的分析から、含有成分の定量性の評価が可能であることが示唆される結果も得られた。このことから、次年度に予定している実試料の分析手法開発に係る技術的ノウハウの整備・構築に努めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実試料としての事例は、血中濃度が高い薬物中毒が望まれるところであるが、ヒト死体由来の試料検体で、こうした事例の採取が不十分であり、この点で研究の遅延が生じてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度と同様に、当初の目的であるqNMR法と従来の薬毒物分析技術により、定量分析を実施し、法医実務への有用性、定量結果の精度・信頼性などの評価・検討することは維持しつつ、研究環境の変化を見据えて、効率的かつ効果的な試料収集を遂行させる計画とする。 薬物中毒の事例の収集が進まない事態に備えて、血清試料中に薬物を混入させた「モデル試料」を作製し、これを研究試料として活用する方策も検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画から実験がやや遅延している状況があるため、実験に必要な支出を次年度に執行するようにしたため。
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