研究課題/領域番号 |
21K10541
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
楠 潤子 千葉大学, 大学院看護学研究院, 助教 (30554597)
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研究分担者 |
眞嶋 朋子 千葉大学, 大学院看護学研究院, 教授 (50241112)
増島 麻里子 千葉大学, 大学院看護学研究院, 教授 (40323414)
池崎 澄江 千葉大学, 大学院看護学研究院, 教授 (60445202)
藤澤 陽子 千葉大学, 医学部附属病院, 看護師 (30400857)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | がん看護 / 補完・代替医療 / 看護教育 |
研究実績の概要 |
令和3年度は、以下2点について研究を進めた。1)文献レビュー:がん患者のCAM利用および医療専門職者のCAM利用支援の課題に関する資料を、国内外の文献から幅広く収集する。2)教育プログラムの対象選定:様々なフィールドに勤務する臨床看護師からCAMにかかわる看護実践に関する情報収集を行う。 1)国外文献においては51文献が選定され、文献はその内容により、CAMのプリバレンス、患者の体験、CAM使用動機と使用と属性の関係、患者の意思決定とそれに影響する専門職の態度、患者教育、患者と専門職のコミュニケーション、専門職教育、専門職の役割、に分類された。国内文献においては8文献が選定された。CAMに関する患者支援の研究は、国外の医師が多く実施していること、国内においては研究があまり進んでいないことが見受けられた。文献上の課題は、医療専門職者のCAMに関する知識不足、患者とのコミュニケーション不足が中心となっていた。 2)一般病院に勤務するがん看護専門看護師、訪問看護師、大学病院外来に勤務する看護師から情報収集を行った。いずれもがん患者のCAM利用に関わる課題を特に意識して患者支援を行っていないこと、利用者をスクリーニングするシステム等はないことが明らかになった。がん看護専門看護師は、医師からのコンサルテーションをきっかけにCAMを利用希望する患者と個別に関わる経験があり、適切な対処を見出していることがわかった。教育プログラムの対象は、多くの患者と関わり必要な場合に高度実践者につなぐ力が必要な一般看護師、または、患者家族のみの判断でCAMを使用することが多い在宅療養の場で支援する訪問看護師のいずれかが妥当であることが考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和3年度の計画は、がん専門看護師にインタビュー調査を行い、高度実践者の立場から考えるCAM利用支援の課題や一般看護師へのCAM教育に関わる課題を抽出する予定であった。しかし文献検討に重点を置いて研究を進めたために、インタビュー調査ではなく、3領域に勤務する看護師への情報収集に留まった。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度に実施した3領域に勤務する看護師への情報収集の成果より、教育プログラムの対象は、高度実践看護師に適切なコンサルテーションを行い、患者の課題に継続してあたるきっかけをつくる一般看護師、または患者家族のみの判断でCAMを使用することが多い在宅療養の場で支援する訪問看護師とすることが妥当と考えた。したがって、令和4年度は、がん専門看護師に加え、訪問看護領域の認定看護師にも対象を広げ、あらためてインタビュー調査を実施することを検討する。さらに、先行研究のレビューを整理し、解決すべき課題の焦点化(内容、文脈、場の特定)を進め、教育プログラム案を作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和3年度に計画していたインタビュー調査を4年度に行うこととしたため、逐語録起こし(その他経費)および分析専用PCの購入が先送りとなった。COVID-19禍において、予定した国内外学会参加がWEB参加となり、旅費が生じなかった。令和4年度はインタビュー調査に伴う専用PCの購入、およびデータ分析にむけた逐語録起こし業者依頼のために経費を使用する予定である。
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