研究課題/領域番号 |
21K10544
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
古島 智恵 佐賀大学, 医学部, 准教授 (00363440)
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研究分担者 |
福山 由美 佐賀大学, 医学部, 准教授 (40529426)
小林 幸恵 西九州大学, 看護学部, 教授 (20325062)
柴山 薫 佐賀大学, 医学部, 講師 (70881431)
浅香 真知子 佐賀大学, 医学部, 助教 (30573183) [辞退]
白木 綾 佐賀大学, 医学部, 特任教授 (50638252)
夏秋 政浩 佐賀大学, 医学部, 講師 (20816318)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 心不全患者 / 掻痒感 / 皮膚状態 |
研究実績の概要 |
今後急増する心不全において患者が有する症状は多岐にわたるが、その中でも掻痒感は、不眠、QOLの低下を引き起こす負担度が高い症状であり、不眠により心イベント発症リスクは増加する。しかし、現在までに心不全患者に対する掻痒感の緩和のための援助方法、看護技術は検討されていない。心不全の発症・重症化予防のための療養環境の整備が叫ばれている中、心不全の重症化リスク軽減につながる看護技術の向上は重要な課題である。本研究の目的は、心不全患者の掻痒感の緩和を図るための看護技術の確立と効果の検証を行い、さらに普及に向けた教材を作成することである。そのことにより心不全患者に対する看護師の症状緩和の技術を向上させ、今後急増する心不全患者の重症化リスクの軽減、QOL向上に貢献することを目指している。
掻痒感緩和のための看護技術の検討に向けて、まず対象となる心不全患者の皮膚状態と掻痒感の評価を行った。外来受診をしている心不全患者を調査対象として、皮膚状態(皮膚油分、水分、PH)、皮膚状態に関連したQOL、掻痒感の有無、掻痒の状況、掻痒に関連する因子、疾患に関連する因子等の測定および調査を行った(令和3、4年度)。 分析を行ったところ心不全患者の皮膚状態の詳細な評価のためには、新たに健常者での皮膚状態の調査が必要であると判断したため、当初計画していなかった健常者での皮膚状態および掻痒感の調査を実施した(令和4、5年度)。 現在、調査によって得られた健常者および心不全患者での皮膚評価項目において分析を進めているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、1年で完了する予定であった心不全患者を対象とした調査がCOVID-19感染流行の影響により目標対象者数に達することができなかったので、2年の期間をかけて調査を実施した。さらに、中間分析により新たに健常者での調査の必要性が考えられたため、当初の計画にはなかった健常者での調査を追加して行った。そのため、当初計画していた調査に到達していないため、進捗状況としては「やや遅れている」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
現在までに調査した内容の分析、評価を行い、学会での発表および論文での公表を目指す。 また、令和6年度には当初の計画にある心不全患者の看護経験を有する看護師への症状緩和技術についての実態調査を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度計画した調査が完了しなかったため、調査にかかわる支出が不要であった。次年度、調査を実施する予定であり、次年度に支出する。
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