研究課題/領域番号 |
21K10557
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研究機関 | 秀明大学 |
研究代表者 |
大野 美千代 秀明大学, 看護学部, 講師 (90533331)
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研究分担者 |
松永 千惠子 国際医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (00532988)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 発達障害 / 看護師 / 就労支援 |
研究実績の概要 |
2021年度は、①発達障害特性がある看護師の医療現場における就労の現状や課題に関する文献検討、②インタビュー調査内容の検討、③発達障害特性がある看護師への指導経験または一緒に働いた経験がある看護師へのインタビュー調査の準備と、対象者の募集、インタビュー調査を実施する予定であった。 本年度の成果は、発達障害特性がある看護師の就労支援に関する文献検討を秀明大学看護学部紀要に発表した。文献検討では、発達障害およびその疑いがある看護師への就労支援を示唆している2文献を対象とした。また、当該看護師への就労継続支援の示唆を得るために、一般企業等における発達障害者への就労支援に関わる7文献を抽出し参考対象とした。結果は、発達障害がある看護師の就労では、その障害特性により看護業務に困難が生じており、それらに対応する看護師長をはじめ周囲の看護職には、支援が負担になっていることが示唆された。当該看護師への支援には、障害特性を理解し、その人の適性やニーズに即した支援を職場全体で行うことが必要であることが示唆された。発達障害特性がある看護師の就労継続支援に関わる論文は少なく、今後は、当該看護師自身の就労の現状、支援ニーズ、支援者ニーズなどを調査し、支援方法を検討する必要があると考えられた。本文献検討を参考に、インタビュー調査のためのインタビューガイドを検討した。 予定していた③の調査は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で実施できていないが、今後は医療現場の業務負担を考慮することや、感染対策を徹底したうえで調査が実施できるようにする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響により、医療機関の業務負担や感染防止などから看護師への面接調査の依頼および実施が困難な状況が続いているため、予定していたインタビュー調査が行えていない。また、調査対象としている発達障害を診断されている看護師を募る予定であった学会等も中止となり、対象者を募ることに困難を要している。
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今後の研究の推進方策 |
①調査対象である「発達障害を診断されている看護師」の選定依頼をする機関を、予定していた医療機関に加えて、新たな医療機関や学会等にて調査協力を依頼し対象者を募り、調査を実施する予定である。調査は、新型コロナウイルス感染症の医療現場への影響とスタッフの業務負担を十分に考慮しながらすすめていく必要があると考えている。②看護師管理者へのインタビュー調査結果を分析しまとめる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、参加予定であった学会の中止やWEB開催となったことから参加費および旅費や、調査実施ができなかったために調査旅費やインタビュー結果のテープ起こし費用などが残金となった。次年度の感染症の影響で調査活動が予定通りできない可能性が懸念されるものの、状況に応じて適切に研究費が使用できるよう研究計画していく予定である。
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