研究課題/領域番号 |
21K10586
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研究機関 | 上武大学 |
研究代表者 |
川村 牧子 上武大学, 看護学部, 准教授 (20326309)
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研究分担者 |
清水 準一 東京医療保健大学, 看護学部, 教授 (40381462)
今泉 一哉 東京医療保健大学, 医療保健学部, 教授 (50454179)
齋藤 尚子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 技術員 (90621730)
加藤 星花 和洋女子大学, 看護学部, 准教授 (50381463)
山岸 貴子 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 准教授 (60520773)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 看護基礎教育 / 教材開発 / 地域包括ケアシステム教育 / アクティブラーニング |
研究実績の概要 |
2023年度は、本研究の根幹をなす、「地域包括ケアを担う人材養成」に携わる教員へのインタビュー調査を実施した。地域包括ケアにおける看護職への期待とともに、基礎看護教育において対象や療養の場の多様化に対応できるような教育の必要性が指摘されている。しかし、学生の地域への関心度は高いとはいえず、教育内容や方法に関して困難を感じている教員も少なくない。 今後、多様な専門領域で地域包括ケアを担う看護職育成が求められているにも関わらず、これまで、病院での看護を主に教育してきた専門領域での地域包括ケアに関する教育について、その実現に向けた具体的な課題や方法は明らかになっていない。 そこで、看護基礎教育において「地域包括ケアを担う看護職」育成のための教育内容や方法を検討するために、専門領域や地域での看護活動の経験を問わず、看護系大学教員が「地域包括ケアを担う看護職」をどのように捉えているのかを明らかにした。 大学での教育経験年数平均8.4年±3.5年、基礎看護学、精神看護学、在宅看護学、老年看護学から各1名ずつ計4名の教員が対象で、全て異なる教育機関に所属している。 内容を質的に分析した結果から、「地域包括ケアを担う看護職」とは、対象者を生活者として捉え、その人の思いや生き方を重視して多職種との連携の中でその役割を果たすと考えていたことが明らかになった。また、教育上の困難として、学生が地域で療養生活をしている人々の生活イメージができないことや多職種との連携が重要であるにもかかわらず、大学でのカリキュラム上そうした学びができる機会や活動に参加しづらい状況であること、看護にしかできない機能を想像しにくいといったことが浮かび上がった。 今回は、インタビュー調査の終了した4領域での結果を分析したものであるため、今後さらに専門領域の範囲を広げていく必要がある。本研究に関しての利益相反はない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究初年度からCOVID19感染状況により、通常業務に加え研究者が所属する各々の教育機関において遠隔講義等の対応に追われたことが大きく影響した。その後、研究調査のための対象者を選定する際においても、当初予定していた該当者の異動・退職等が重なり、調査実施の調整に困難を極めた。
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今後の研究の推進方策 |
この研究調査対象者は、10~20名前後を予定している。そのため、引き続き該当者を選定し、インタビュー調査及び分析を継続することを最優先していく。また、本研究のめざす、「地域をみる目」を学ぶための教材開発を進めるため、インタビュー調査から得られた知見をもとにした教材素案が、ゲームやアプリ化につながるかの検討を専門業種および教育教材開発を行っている出版社などに行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナの感染状況により調査が遅れた
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