研究課題/領域番号 |
21K10595
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研究機関 | 令和健康科学大学 |
研究代表者 |
大村 由紀美 令和健康科学大学, 看護学部, 講師 (30382443)
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研究分担者 |
前田 ひとみ 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 教授 (90183607)
松本 智晴 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 准教授 (80540781)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 継続教育 / 生涯学習支援 / コンピテンシー / リフレクション |
研究実績の概要 |
本研究では、これまでの科研費(研究活動スタート支援)による研究成果をもとに、病院に勤務する経験2年未満の新任の看護継続教育者(以下、看護教育者)のコンピテンシー(能力)を高めるために、看護教育者に必要な基本的知識の習得に加え、自己の経験のリフレクション(省察)を支援するWeb学習システムの開発と有効性の検証を目的とする。研究の第1段階として、「Web学習プログラムとシステム開発」、第2段階として、「Web学習システムの有効性の検証」を行う。本研究により看護教育者の学習が促進され、コンピテンシーの向上に寄与すると考える。 2022年度までに、研究の第1段階として、Web学習プログラムのコンテンツ作成と「Moodle」を利用しセルフリフレクションができるWeb学習システムの構築を行った。 2023年度は、研究の第2段階である「Web学習システムの有効性の検証」のための介入研究を行なった。全国の400床以上の病院の看護教育者100名(介入群50名、対象群50名)を対象に、無作為比較対照試験を行った。介入は、第1段階の研究で開発したWeb学習システムを用い、開発したオンデマンド教材と、教育活動をリフレクションする学習プログラムの受講(3ヶ月間)である。 介入群では、介入前に比べ、介入終了時と終了1ヶ月後にコンピテンシー尺度得点が有意に上昇し経時的変化があった。対象群ではコンピテンシー尺度得点の経時的変化はなかった。また、介入終了後、終了1ヶ月後において、介入群の方がコンピテンシー尺度得点が高く有意差があった。さらに、介入群では、学習ニードが高くなり、学習内容を教育活動の実践に活用できた程度が高く、日頃の教育活動をセルフリフレクションした回数が多いほど、コンピテンシー尺度得点が高かった。 本学習システムの有効性が認められたが、プログラム完了率は50%程度であり更なる工夫が必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り介入研究を終了し、データ分析まで終了したため順調に経過している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、研究結果の学会発表と論文投稿を予定している。また、開発したWeb学習プログラムの内容を動画教材作成業者に依頼して完成度の高い教材になるよう検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由:2023年度に計上していた旅費に関して、会議や打ち合わせはオンラインも使用したため、旅費の発生が少ななかった。また、研究成果の学会発表を予定していたが、研究進捗と2023年度の学会発表のタイミングが合わなかったため、2024年度に繰り越している。
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