研究課題/領域番号 |
21K10597
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
鏡山 浩美 北海道大学, 保健科学研究院, 助教 (20521032)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 交代制勤務 / 看護師 / 16時間夜勤 / 睡眠 / 疲労 / 健康 |
研究実績の概要 |
本研究は、16時間夜勤の二交代制勤務に従事する看護師を対象に、睡眠の構造を測定し、その特徴を明らかにするとともに、疲労および健康状態の主観的評価との関連を明らかにすることを目的としている。これらの研究成果は、看護師の疲労対策や、睡眠教育プログラム作成のための基礎資料となる。 調査対象は20歳代から40歳代の交代制勤務看護師とし、寝具の下に設置するマット型の測定機器を用いて、日勤、夜勤、休日の睡眠時間やレム睡眠、ノンレム睡眠などの睡眠状況を測定するとともに、調査票を用いて疲労や日中の眠気、健康に関連するQOLを測定することを計画した。しかし、初年度(令和3年)は新型コロナウィルスの感染拡大の影響により、計画していた調査が実施できなかった。また、当初予定していた睡眠測定機器は、研究参加者の自宅と協力施設間の移動に伴う参加者への負担や感染リスクなどが課題となった。そこで、感染終息後の研究実施に向け、学術集会の参加や文献検索などにより情報収集を行い、使用器機の検討を行った。リストバンド型のウェアラブルデバイスは近年、精度の向上とともに、国内外の研究において睡眠の測定機器として注目されている。そこで、睡眠パラメーターの測定精度を比較した先行研究の評価をもとに、心拍数と加速度計を備えたFitbit charge5を本研究における睡眠測定器として選定した。ボランティアの交代制勤務看護師を対象に予備テストを行い、データ収集方法等の確認と検討により本調査に備えた。新型コロナウィルスの感染拡大の沈静化が進み、協力施設の許可が得られ次第、調査を開始できるよう、準備を進めている。データ収集後は勤務帯ごとの睡眠の特徴や疲労および健康状態の主観的評価との関連について分析・評価を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルスの感染拡大による影響で令和3年度の計画は実施できなかったが、文献検索や学術集会の参加などによる情報収集により、睡眠の測定機器の検討を行い、当初の予定よりも低コストでより精度の高い機器を選定し、調査開始に向け準備することができた。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度は、令和3年度に予定していた調査について準備を進め実施する。睡眠測定機器の変更に伴い、機器のコストが下がったことで、予定していた金額内で台数を増やすことができるため、当初の予定よりも短い期間でのデータ収集が可能となった。 新型コロナウイルスの感染拡大の沈静化が進み、協力施設の許可が得られ次第、調査を開始し、令和3年度および令和4年度の計画に沿ってデータ収集を完了する。また、研究成果について国内および海外の学会で発表を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和3年度は新型コロナウイルスの感染拡大により、計画していた調査が実施できず、助成金は学会の参加費(Webのため旅費は使用せず)と、変更の必要性が生じた睡眠測定機器の予備テストのため、測定機器1台の購入のみに使用した。 令和4年度は感染の鎮静化が進み、協力施設の許可を得しだい、前年度分の助成金と合わせて、調査に必要な台数の睡眠測定機器や調査票の購入、参加者への謝礼、データの保存・分析用のパソコンの購入、交通費などに使用する計画である。
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