• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

慢性創傷に対する「好中球細胞外トラップ」阻害によるユニバーサル創傷ケアの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K10598
研究機関東北大学

研究代表者

丹野 寛大  東北大学, 医学系研究科, 講師 (10755664)

研究分担者 菅野 恵美  東北大学, 医学系研究科, 教授 (10431595)
高木 尚之  東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (30569471)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード創傷治癒 / 血管新生
研究実績の概要

慢性創傷は、バイオフィルム形成、血流障害などが複合的に関与し、難治化する。しかし、複数の原因に対し、同時にアプローチできる創傷ケアは存在しない。難治性の原因によらず、全ての創傷を治癒に導く「ユニバーサル創傷ケア」が求められている。
本研究では、既に突発性難聴や慢性閉塞症などの治療薬として用いられ、血流改善効果や血栓を形成する好中球細胞外トラップ阻害効果が確認されているデフィブラーゼが創傷治癒に与える影響を解明することにより、ユニバーサル創傷ケアの確立を目指す。
昨年度は急性創傷モデルと慢性創傷モデルを用いて、デフィブラーゼが創傷治癒に与える影響について解析し、創閉鎖率、再上皮化率、肉芽面積、血管新生の解析を行い、デフィブラーゼが創傷治癒を促進することを明らかとした。今年度は、急性創傷モデルを用い、コラーゲン合成や増殖因子産生にデフィブラーゼが与える影響について解析した。また、昨年度実施しなかったタイムポイントについても再上皮化率、血管新生の解析を行った。
コラーゲン合成はコントロール群と比較し、デフィブラーゼ投与群で創作成10日目に有意に増加したが、ほかのタイムポイントでは差はみられなかった。増殖因子産生はデフィブラーゼ投与により血管内皮細胞増殖因子が創作成後3日目に増加傾向を示し、胎盤由来増殖因子は創作成後3日目に有意に増加した。表皮増殖因子は創作成後1,3日目にデフィブラーゼ投与により有意に増加した。また、昨年度の結果に加え、再上皮化率は創作成後7日目にデフィブラーゼ投与により有意に増加した。さらに、血管新生も創作成後7日目にデフィブラーゼ投与により有意に増加した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2021年度の結果に加え、2022年度は増殖因子産生やコラーゲン合成について解析し、デフィブラーゼが有する創傷治癒促進効果の機序について検討することができたため。

今後の研究の推進方策

デフィブラーゼによる創傷治癒促進機能のさらなる機序解明を予定している。
具体的には、デフィブラーゼによる創部への白血球集積の解析や血管新生への血管内皮前駆細胞の関与を明らかにすることを考えている。さらに、ヒト外挿性の可能性を示すため、ヒトケラチノサイトを用いた実験も計画している。

次年度使用額が生じた理由

学会開催方式のWEBに変更に伴い、未使用額が生じた。
研究費(消耗品費)として使用する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (2件) 図書 (2件)

  • [学会発表] 現地特別企画「集まれ Young Researchers!」研究活動の共有・交流をはかろう2022

    • 著者名/発表者名
      丹野寛大
    • 学会等名
      第42回日本看護科学学会学術集会
  • [学会発表] バトロキソビン投与による皮膚創傷治癒促進機構の解析2022

    • 著者名/発表者名
      新井山ももこ, 丹野寛大, 伊師森葉, 小番冠奈, 真壁風子, 川上和義, 菅野恵美
    • 学会等名
      第52回日本創傷学会
  • [図書] 創傷治癒への C 型レクチン受容体の関与2022

    • 著者名/発表者名
      丹野寛大, 菅野 恵美
    • 総ページ数
      4
    • 出版者
      BIO Clinica
  • [図書] Part2 急性期褥瘡の特徴. 松田友美編集, 看護技術 第1特集 急性期褥瘡のアセスメントとケア―慢性化・重症化を防ぐために―2022

    • 著者名/発表者名
      丹野寛大, 菅野恵美
    • 総ページ数
      7
    • 出版者
      メヂカルフレンド社

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi