研究課題/領域番号 |
21K10601
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
生田 奈美可 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (70403665)
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研究分担者 |
ベネディクト ティモシーオニール 関西学院大学, 社会学部, 助教 (10844590)
弓山 達也 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 教授 (40311998)
比嘉 勇人 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (70267871)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | スピリチュアルケア / スピリチュアリティ / 看護卒後教育 / 教育プログラム / 看護実践網力 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、看護卒後教育におけるスピリチュアルケア実践能力向上に向け、教育プログラムを開発し、開発したプログラムを実施、その評価をすることである。 2021年度の目的は、スピリチュアルケアに関する教育プログラムを作成することであった。作成された教育プログラムは、研究分担者の比嘉により提唱されている①Spiriatuai-Care Modelについての講義、②スピリチュアリティ概念、スピリチュアルニード、アセスメント方法、スピリチュアルケア計画と実施についての講義、③対象者が提示した事例の検討④研究者が提示した事例からのリフレクションから構成される。パイロットスタディとして、山口県の1施設に研究代表者が、上記①②を実施した。プログラム内容の評価はおおむね良好であり、教育プログラムの内容の検討は終了した。 また看護系大学生の援助的コミュニケーションスキルの特徴を明らかにした。4因子(心理的スキル、交差的スキル、神気的スキル、非言語的スキル)で構成されている援助的コミュニケーションスキル尺度を使用した。 説明や確認等を刺激として与えることで、言動反応を引き出すスキルである『心理的スキル』で点数が高かった項目は「患者に説明した」「患者の感情を確認した」であった。『心理的スキル』や『神気的スキル』を補完する『交差的スキル』で点数が高かった項目は「患者に自由な形式で答えてもらう質問をした」であった。望みや支え等を主体的に語らせ、ポジティブな話題を聴き出す『神気的スキル』において点数が高かった項目は「患者の支えとなる人や支えになっていることに関する話は聴いた」であった。『非言語的スキル』は、援助的コミュニケーション尺度の4つの下位概念の中で一番高く、患者との会話の中で視線、表情、身振り、手振りなどに気を配りながら会話できていると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
教育内容の精選と実施は終了したが、研修内で事例検討の実施ができていない。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、2021年度に実施したスピリチュアルケア看護卒後教育プログラムについて、他施設で実施し、2021年度に実施していない事例検討を含め、患者との対話記録を用いた分析とディスカッション、研究者が提示した内容におけるリフレクションを入れた研修を実施する。研究代表者だけでなく、研究分担者より、研究協力を求める施設を挙げて、対象施設を増やす計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度は、進度が少し遅れている。当初、研究分担者が所属する大学や、その他地域においても研修を実施する予定であったが、研修対象施設が、研究代表者が所属する大学の近隣施設にとどまっていたことが理由である。2022年度は、研究分担者の居住地域の施設及び、その近隣の施設に対象を広げていく計画である。よって研修や打ち合わせ旅費として使用を計画する。
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