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2021 年度 実施状況報告書

最適な近赤外光波長を用いた目視困難末梢静脈可視化システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K10604
研究機関石川県立看護大学

研究代表者

木森 佳子  石川県立看護大学, 看護学部, 准教授 (30571476)

研究分担者 田中 志信  金沢大学, フロンティア工学系, 教授 (40242218)
久保 守  金沢大学, フロンティア工学系, 助教 (90249772)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード可視化技術 / 目視困難静脈 / 近赤外光
研究実績の概要

本研究は、採血や点滴療法で実施する末梢静脈穿刺の成否、穿刺関連合併症の発生に影響する目視困難な末梢静脈を可視化する試作機を開発することである。必要な成果は皮下5㎜から7㎜の深さの目視困難静脈を可視化することで、R3年度は、その静脈透視原理、透視技術を確立することであった。ほとんどの既存機器で利用されることのなかった近赤外光の透視光を原理に活用し、エコーで静脈の径と深さを計測した肉眼で見える静脈で実現可能性を検討した。
その結果、反射光と透過光による静脈画像から透過光の方が静脈と周囲皮膚組織のコントラストが良く期待が持てること、近赤外光の波長は850、940nmの方が静脈が見えやすく、1200nmでは見えにくいことがわかった。同時に、光源は1方向からでは見えづらいこと、光源のハレーションのコントロールが難しいこと、光源と皮膚の接触から漏れ出た近赤外光が反射光となりその影響が懸念されること、であった。
この結果を受け、採血や点滴療法に使用する前腕部の皮膚に追従した光源の試作機の作成を検討した。この時点で臨床実験を見込み企業に作成してもらうことを検討し複数の企業と打ち合わせをした。だが、静脈の可視化が期待され実装できる仕様までには至っていないたと判断した。
透過光は反射光より静脈可視化の効果が高いと期待されながらも、既存機器で用いられることがほとんどなかったのは、前腕部の太さが可視化に至らない深さになってしまうことが挙げられる。しかし、光源の位置、光量、光波長によっては、透過光の利用も可視化の実現可能性があるとわかった成果は大きいと考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初「反射光」を利用した静脈可視化試作機の進展を考えていたが、これまで期待が持てても利用してこなかった「透過光」の利用を検討したことが主な理由である。「透過光」には利用されてこなかっただけのクリアすべき課題もあるが、深層の末梢静脈を可視化する新たな技術にもなるかもしれない。使用を検討する余地はあると考えられる。

今後の研究の推進方策

今後は、企業で光源のプロトタイプを作成してもらう前に研究者でさらに詳細な光源の構成を検討していく。詳細な構成とは、末梢静脈穿刺技術の妨げにならないようにしながら、主には光源の量、位置である。これが決定すれば次にカメラ、レンズの性能も選びやすくなり試作機作成が推進されると考えられる。

次年度使用額が生じた理由

明らかとなった深層の末梢静脈を可視化する近赤外線の波長で静脈と周囲皮膚の反射光を活用した静脈像の獲得する試作機の作成を予定していたが、透過光の実用可能性を検討することにした。これは、既存機器に用いられている反射光のシステムでは深層静脈を可視化できる可能性は透過光より期待できないのではないかと考えたためである。透過光による静脈画像の獲得について実験する必要性があったため、実用性を評価できるほどの試作機を作成することはできなかったため、次年度使用額が生じた。 次年度は、透過光を用いた場合の実験機で構成と材料の最適値を調べ、試作機を作成する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 目視困難な末梢静脈可視化のための最適な近赤外光は超と狭帯域光法2021

    • 著者名/発表者名
      木森佳子、山下大揮、小島菊乃、中嶋知世
    • 雑誌名

      看護理工学会誌

      巻: 8 ページ: 203-210

    • DOI

      10.24462/jnse.8.0_203

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ステレオカメラを用いた腕の血管深度可視化装置の検討2021

    • 著者名/発表者名
      久保守、木森佳子
    • 学会等名
      第9回看護理工学会学術集会

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公開日: 2022-12-28  

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