研究課題/領域番号 |
21K10611
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
中村 綾子 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (60459245)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 実習指導者 / 院内教育プログラム / 看護師 |
研究実績の概要 |
本年度は、前年度の文献検討の結果等から、実習指導者講習会を修了後、実習指導者を担っている看護職員を対象とした院内研修プログラムを試作した。プログラムは1回50分×3回の研修であり、プログラムの前後に、研修を評価するための質問紙やインタビューによる調査も実施した。 研究者の所属する大学の研究倫理審査委員会の承認を受けた後に、附属病院のうち看護基礎教育の臨地実習を受け入れている7病院の看護師長会を通じて研究協力者を募ったところ、4名(男性2名、女性2名)が応じた。 2022年12月から2023年2月までの3か月間で、実際にオンライン会議システムを使用したプログラムとグループインタビューを実施し、プログラム実施期間中の脱落者はなかった。 全3回のプログラムは、「実習受け入れ前の準備」、「実習中の対応」、「記録や看護ケアの指導」を各回のメインテーマとした。研究協力者として参加した受講者からは、プログラムに対しておおむね好意的な意見を得た。特に、研究協力者(実習指導者)同士の意見交換や、事例を用いた検討について、「理解を深めることができた」、「実際の状況が分かった」、「自部署や自身の指導と比較しながら考えることができた」といった肯定的な意見が複数寄せられた。今後の改善点については「資料の提示は研修会の数日前にあったほうが良い」、「自身と同じ診療科や領域の病棟の実習指導者と意見交換をしたい」、「参加者は少ない方が発言しやすく相手の意見も聞きやすいので参加人数が多い場合にはグループを分けたほうが良い」などの意見が聞かれた。 今年度の調査結果についてまとめるとともに、次年度のプログラムの実施に向けてプログラムの改訂を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、研修プログラムの実施をしたが、プログラムへの参加者(研究協力者)の募集に時間を要したため、当初の予定より3か月ほど遅れての実施となった。プログラム開始後は滞りなく進められた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の試作プログラムの評価を進め、次年度に実施するプログラムの改訂をさらに行うとともに、改訂プログラムの実施と評価を行うことで、実習指導者講習を修了した実習指導者を対象とした院内研修プログラムを確立させる。なお、今年度はプログラム参加者が4名と少なかったため、今年度は募集方法を工夫し、10~15名程度の参加者が得られるように努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は、参加した学会がオンライン開催であったため、交通費の支出が無かった。また、研究の一環として実施したオンライン研修プログラムの参加者が予定よりも少なく謝金の支払い総額も少なくなった。 次年度は、ブラッシュアップした研修プログラムについて、看護教育学の教授等よりスーパーバイズを受けることでプログラムを洗練させたり、学会にて研究成果の発表を行ったりすることに研究経費を使用する。
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