研究課題/領域番号 |
21K10620
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
杣木 佐知子 大阪医科薬科大学, 看護学部, 助教 (70879775)
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研究分担者 |
真嶋 由貴恵 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 教授 (70285360)
中村 裕美子 大阪府立大学, 研究推進機構, 客員研究員 (10299266)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 訪問看護ステーション / 新任看護師 / 人材育成ツール / 視覚化 / インストラクショナルデザイン / 経験学習 / ARCSモデル |
研究実績の概要 |
ICTを活用した看護教育の実態について,国内外の文献検討を行い,「看護師継続教育におけるe-ラーニングの効果と課題」のテーマで学会発表を行った(第46回教育システム情報学会全国大会).また,国内の訪問看護師の教育プログラムの実態についての文献検討を行い論文投稿準備中である.これらの検討内容から,看護師継続教育の現状課題を踏まえて,新規採用訪問看護師向けの,人材育成ツールの設計を検討した. 人材育成ツールの設計では,新任看護師の入職時の状況に合わせた目標設定と学習内容の設計をするためには,インストラクショナルデザイン(鈴木,2005)を取り入れ,学習のプロセスには,成人学習者の特徴から,経験学習理論(Kolb,1984)を取り入れることが効果的であると考えた.また,臨床経験値や新任期の学習により習得したスキルの視覚化においては,動機づけモデルであるARCSモデル(J. Keller,1984)の要素を盛り込むことが効果的であり,その後の継続的で自発的な学習につながると考えた. これらの設計内容を盛り込み,Excel(Microsoft Corp)を用いて使用できるように,VBAのプログラム言語を用いて人材育成ツールの試作品の開発を行った.試作品は,操作性を確認しながら,不具合を修正し完成させた.また,この人材育成ツールは,今後どのように活用していくのかについて検討し,国際学会で発表を行った(EJEA Conference 2021).さらに,試作品の人材育成ツールを用いた実証実験方法と評価方法を検討し,今後の実証実験に向けて,倫理申請書類手続きを行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
人材育成ツールは,Excel(Microsoft Corp)を用いて試作品を完成させることができ,有用性と教育効果の検証に向けた準備が整っているため.
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今後の研究の推進方策 |
倫理委員会の申請承諾を得た後,人材育成ツールの有用性と教育効果の検証のため,パイロットスタディーとして訪問看護ステーション1施設に1ヶ月間,本調査として10施設に3か月間の実証実験を行う.パイロットスタディでは,アンケート調査で得た結果を基に人材育成ツールを改良し,本調査で使用する.本調査では,3か月間の人材育成ツール使用の前後でアンケート調査を実施し,効果を検証する. 実証実験で得た成果は,国内外の学会で発表し,論文投稿し,成果発表を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症流行に伴い,学会がオンラインで開催されたことから,学会旅費が必要なかったため次年度使用額が生じた. 次年度は,有用性の人材育成ツールの有用性と教育効果の検証のため,人材育成ツールを保存するUSBなどの媒体や書類の郵送費,研究協力者への謝金,また,成果発表に伴う学会参加費や論文投稿に関連する翻訳等に研究費を使用する予定である.さらに,有用性の検証結果を受けて,ツールの改良を行う可能性がある.
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