• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実施状況報告書

エンドオブライフケアに携わる看護師の 暗黙知に基づく臨死期の予測

研究課題

研究課題/領域番号 21K10622
研究機関奈良学園大学

研究代表者

小林 由里  奈良学園大学, 保健医療学部, 准教授 (30826813)

研究分担者 小笠原 知枝  兵庫大学, 看護学研究科, 教授 (90152363)
西薗 貞子  奈良学園大学, 保健医療学部, 教授 (50458014)
播金 ヤスミ  奈良学園大学, 保健医療学部, 特別客員教授 (10810640)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードエンドオブライフケア / 暗黙知 / 予後予測 / 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
研究実績の概要

本研究は,看護師の暗黙知による臨死期の予測の可能性に着目した.この暗黙知に基づく予後予測が可能になれば,患者のpeaceful deathを目指したEOLCが可能になると考えた.
そこで,COPD患者のEOLCに携わる看護師の暗黙知に基づく予後予測指標を開発し,その内容妥当性および実用性を検証することを目的としている.
令和3年度は,【研究1】EOLCに携わる看護師の「暗黙知」に基づく臨死期予測に関するシステマティックレビュー,【研究2】看護師の暗黙知に基づく予後予測の質的分析に取り組んだ.システマティックレビューの結果,選択基準に合致した文献は27件抽出された.対象文献から看護師が暗黙知に基づき死期を察知している文脈を取り出しコードに整理し,サブカテゴリ,カテゴリに分類した.その結果,看護師の暗黙知に基づく死の1ヶ月前を予測する要素として,【目つき,表情の変化】【今までにない異常な言動】【違和感のある臭気から消失へと変化】 【発汗を伴う皮膚色の変化】【反応の低下】【死に対する恐怖】【家族等との惜別】【生へのこだわりの喪失】【一瞬の回復】【ただならぬ雰囲気の察知】の10カテゴリが抽出された.
研究実績としては,2022年度The 25th East Asia Forum of Nursing Scholars (EAFONS) Conferenceにおいて,「Prognosis Prediction at One Month Before Death Based on Nurses’ Assumed Tacit Knowledge: Qualitative Inductive Research Based on Systematic Review」を報告した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の目的を達成するために,上記の3段階で研究を進めており,計画通り進行している.
まず令和3年度に【研究1】EOLCに携わる看護師の「暗黙知」に基づく臨死期予測に関するシステマティックレビュー,【研究2】看護師の暗黙知に基づく予後予測の質的分析を行った.令和4年度は,【研究3】看護師の暗黙知に基づく予後予測指標の開発とその内容妥当性および実用性の検証を行う.【研究2】の質的分析の結果により抽出された予後予測項目について,1)研究者らで,暗黙知に基づく予後予測項目であるかを検討し,2)EOLCの経験のある看護師およびEOLCの研究者あわせて20名を対象に自記式質問紙調査を行い,予後予測項目の内容妥当性を検討する.その結果をもとに予後予測指標を作成し,3)COPD患者のEOLCの経験が5年以上の看護師で,同意の得られた10名を対象に,予後予測指標の実用性を確認する予定である.

今後の研究の推進方策

【研究3】で作成した予後予測項目についての内容妥当性を検討するために,現在EOLCの経験のある看護師およびEOLCの研究者あわせて20名に依頼を始めるところである.その結果をもとに予後予測指標を作成し,COPD患者のEOLCの経験が5年以上の看護師である研究協力者10名程度を確保し,予後後予測指標の実用性を確認する予定である.方法は,COPD患者に対し看取りのケアに移行する必要性を感じた時期に予後予測指標を使用してもらい,質問紙調査を実施する.
令和5年度は,【研究4】COPD患者のEOLCの経験が5年以上の看護師を対象に,看護師の暗黙知に基づく臨死期予測に関するインタビュー調査を実施する.データ分析は,内容分析の手法を参考に,看取りの時期を判断する根拠となっている要素や,看取りの時期と判断したときに実施しているEOLC内容を抽出する予定である.

次年度使用額が生じた理由

令和4年度は,【研究3】看護師の暗黙知に基づく予後予測指標の開発とその内容妥当性および実用性の検証,および【研究2】予後予測項目の内容妥当性を検討するために,質問紙調査を行う.その施設へ調査依頼をするための印刷代,郵送費,通信費,旅費に使用する.またエンドオブライフケアや非がん疾患患者の緩和ケアの動向や現状などを把握することや成果を発表するための学会・研修会参加の参加費や旅費に使用する.
質問紙調査やインタビュー調査のデータを迅速かつ正確な処理をするために,また研究協力者との内容妥当性等についての綿密な打ち合わせの際に持ち込むためにノートパソコンを購入する.ノートパソコン購入に伴い,ウイルス対策ソフトが必要になる.
調査したデータ保存のためのハードディスク,資料や調査用紙の作成のために消耗品のプリンタインクやコピー用紙の購入に使用する.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Prognosis Prediction at One Month Before Death Based on Nurses’ Assumed Tacit Knowledge: Qualitative Inductive Research Based on Systematic Review2022

    • 著者名/発表者名
      Yuri Kobayashi, Chie Ogasawara, Mayumi Kawai, Sachiko Hiramatsu, Teiko Nishizono, Yasumi Harikane
    • 学会等名
      The 25th East Asia Forum of Nursing Scholars (EAFONS) Conference
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi