研究課題/領域番号 |
21K10624
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
岩本 幹子 北海道大学, 保健科学研究院, 准教授 (50292040)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 専門職倫理性 / 新型コロナ感染 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、新型コロナウィルス感染症流行下で、看護師が人々の健康に寄与すべく行動しながら経験した新たな倫理的問題、またどのような要因が看護師の倫理的行動を阻害しているのかを記述することである。 初年度は、看護師の倫理問題への認識と倫理 的行動とその判断基準と阻害要因について、明らかにすることである。 そこで、メディア、文献レビューにより、日本国内外における、新型コロナウィルス感染が看護活動に与えた影響について、エンパワーメントの環境要因、心理社会的要因の視点から感染前後の変化を分析し、看護師の倫理的問題の計喝を阻害要因の抽出を試みている。既に、新型コロナウィルス感染による、医療、看護への影響は、さまざまなメディアを通じて報道され、看護職の活動や看護教育活動への影響は、日本看護協会によりまとめられ、今後の社会のあり方への提言がされている。 新型コロナウィルス感染発生から2年が経過したが、新型コロナウィルス感染は収束に向かうことなく、ますます看護師への心身への負担が軽減することなく続いている。一方で、感染発生当初の、看護業務にける感染防止策の混乱、看護に必要なPPE(個人防護具)の不足は解消され、医療崩壊の危機感は薄らいでいる。また、新型コロナウィルス感染症に対する、根拠なき疑念や不安から、看護職員やその家族に向けられた差別的な人々の態度に直面しながらも看護を続けるジレンマは人々の病識が進むにつれ、少なくなっているが、一方で自身が感染するリスクは続き、家族の健康を守ることと仕事を続けることの役割葛藤が発生している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ感染の収束が見られず、インタビューを予定している医療施設のスタッフへの面談が行えない状況にある。また、感染状況の長期化により、当初予測された看護師達が直面している倫理的問題も変化してきている。このため、コロナ禍における看護活動の変化を明らかにすることで、看護職の倫理的問題の認識の変化、解決行動の阻害要因を、より具体的にしてモデル化することが可能となる。以下、インタビュー方法の変更し、数量的記述の調査内容をより現状に即して物に変更する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
予定している医療施設への訪問、インタビューができない状態にある。新型コロナ感染の収束にともない、インタビュー、看護活動の観察を開始する予定である。また、初年度の成果をもとに、フォーカスグループインタビューを、看護管理者、感染看護の専門家による検討会として、検討内容を明確にかつ効率的に開催する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染禍の影響で、医療機関での調査活動が行えず、当初購入を予定していた設備備品の購入を要しなかった。次年度については、当初の予定通り、研究調査を予定しており、設備備品を早期に購入予定、データの分析を開始する。
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