研究課題/領域番号 |
21K10638
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研究機関 | 宮城大学 |
研究代表者 |
金子 健太郎 宮城大学, 看護学群, 講師 (40714358)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 圧受容器反射感受性 / 心拍変動 / 自律神経 / 看護介入 |
研究実績の概要 |
本研究は、心臓自律神経調節において重要な圧受容器反射感受性 Baroreflex sensitivity(BRS)と呼吸機能に注目し、これまで開発・検討してきた看護介入方法の効果を評価することを目的としている。この研究成果をもとに、有疾患患者のみならず、発症予防などの観点も含めたさまざまな対象における自律神経活動を高める看護介入方法の非侵襲的評価方法の確立と普及を目指す。 当該年度は、これまで検討してきた血圧脈波からの血圧値の算出方法に関する予備実験に取り組み、安定した体位における血圧変動を記録する方法を確定させた。さらに、これらの結果から、先行研究で用いられている収縮期血圧の変動と脈拍の変動からBRSを算出する方法を検討した。すなわち、安定した体位において専用の電子血圧計により橈骨動脈上からある一定期間の安定した連続する血圧脈波の波形を測定し、区間内において3連続以上収縮期血圧が上昇あるいは下降したところを選択し、同区間における脈拍変動との相関関係から求めることとした。この方法を本研究における自律神経系機能評価の方法の一つとすることとした。そのほかの生理学的指標をふくめた測定プロトールについても予備実験を経て確定に至った。 その上で、研究参加協力に応募した若年健常男性への介入検討を開始した。介入方法は上述のSlow breathing exercise(SBE)とし、当初の予定通り4週間の実施期間において、1日15分を2回実施する方法を採用した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
上述の血圧脈波から血圧値を算出する方法に関する詳細な予備実験および、本実験にかかる測定プロトコールの検討に時間を要した。予備実験に関する検討は当初の研究計画よりも遅れた状況で概ね完了したが、本実験に移行する時期が遅くなった。したがって、研究期間を延長する措置をとり、次年度に継続して検討することとした。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの予備検討を経て確定させた研究方法および測定プロトコールにしたがい、若年健常男性を対象とした4週間のSBEの介入検討を進めていく。 得られた介入検討結果にもとづき、自律神経系機能および呼吸機能の変化について詳細な分析・評価を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
想定していたの研究計画と異なり予備実験および本実験にかかる測定プロトコールの検討に多くの時間を要し、本実験を開始する時期が遅くなった。したがって、当初予定していた「人件費・謝金」の支出がなかった。次年度使用額は、研究参加協力者に対する謝金と、研究遂行にかかる研究消耗品費の購入、測定機器のメンテナンス、自律神経系機能の分析・評価方法に関する意見交換のための学会参加等に充当する予定である。
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