研究課題/領域番号 |
21K10639
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研究機関 | 福岡女学院看護大学 |
研究代表者 |
石井 慎一郎 福岡女学院看護大学, 看護学部, 准教授 (80724997)
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研究分担者 |
田村 敦子 自治医科大学, 看護学部, 准教授 (70724996)
板橋 直人 日本保健医療大学, 保健医療学部看護学科, 講師 (80570275)
塚本 友栄 自治医科大学, 看護学部, 教授 (00275778)
関谷 大輝 東京成徳大学, 応用心理学部, 准教授 (80619213)
中島 富有子 福岡看護大学, 看護学部, 教授 (80592980)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | エンゲージメント / 学習 / 看護教育 / 感情 |
研究実績の概要 |
本研究は精神科臨床において反省実践を育み、看護師が必要とする感情指数を明らかにすることである。先行研究からは、精神科臨床看護師(MHNs)のEIは他の領域の看護師よりも高かった。そこで本研究の目的は、わが国のMHNsのEIに焦点をあて、その特徴を明らかにすることとする。対象者は、精神科病院3施設、内科病院2施設の看護師であり、20~30歳代の206名に無記名自記式質問票を配付した。EIはWong and Law Emotional Intelligence Scale 日本語版(豊田・山本、2011; 以下 J-WLEIS)を用いた。J-WLEISは、[SEA]、他者の感情評価、感情の利用、感情の統制の4下位尺度、16項目から構成され、得点が高いほど情動指数が高い。MHNsと精神科以外の看護師群(IMNs)のEIの比較はt検定、さらにcohen’sd)を算出した。その結果、MHNsの[総得点]はIMNsよりも有意に低く(p<0.05、d: 0.4)、さらにMHNsの[[SEA]]はIMNsよりも有意に低かった(p< 0.001、d: 0.7).。その他の下位尺度に有意な差はみられなかった。 本研究は、MHNsを対象にしたEIの先行研究とは異なる結果であった。とくに自己への気づきに必要なMHNsの[[SEA]]はIMNsよりも有意に低く、効果量の大きさから実質的な差があるといえる。MHNsは、職場以外のワークショップやカンファレンス、研究会に積極的に参加し、他病院の看護師や多くの看護学や看護学以外の専門家と関わり、学び、自らを省察する必要がある。看護基礎教育では、学生が実習中や実習後に指導者や教員とのディスカッション、実践の記録を通し、学習者自身が自分の感情を振り返るトレーニングが必要と考えられる。
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