研究課題/領域番号 |
21K10640
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研究機関 | 了徳寺大学 |
研究代表者 |
末永 弥生 了徳寺大学, 健康科学部, 教授 (60750784)
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研究分担者 |
尾立 篤子 東邦大学, 健康科学部, 教授 (50736973)
吉村 惠美子 国際医療福祉大学, 医療福祉学研究科, 教授 (10413163)
蔵谷 範子 湘南鎌倉医療大学, 看護学部, 教授 (00320846)
海津 真里子 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, その他, 講師 (50824489)
根本 友子 了徳寺大学, 健康科学部, 講師 (60823086) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 発達障害傾向 / 看護大学生 / 技術演習 / 学習困難 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、発達障害傾向のある看護大学生の看護技術演習における困難を解明し、技術習得方略の開発をすることである。本研究の成果は、発達障害傾向のある学生の学内演習のみならず臨地実習、さらには卒業後の継続教育にも繋げられると考える。発達障害は、2005年に発達障害者支援法の制定や文部科学省による発達障害者に対する特別支援教育が推し進められ、一般的な概念として急速に広がりを見せてきた。看護師養成機関の7割に発達障害の疑いのある学生が存在しているとの報告もある(山下,2016)。実際、「何度注意されても一向に改善しない」「指示や配布物の内容に対応できない」「急な予定変更に対応できずパニックになる」などの特徴がみられ、その対応に看護教員も戸惑いを感じている。さらに、発達障害は「障害と健常の境界が明確でなく、どこまでが障害でどこからが本人の個性や能力の問題であるのか区別がつきにくいという特徴があり(日本学生支援機構,2017)」、一堂に会して教育しなければならない現状も看護基礎教育における困難さに拍車をかけている。大人になり診断を受けるケースも増えてきているが、自身の生きづらさに戸惑いを感じながらも未診断のまま、あるいは気づかないまま潜在する看護学生は予想以上に存在すると予測される。しかし、障害開示という繊細な問題が関係することから、当事者からみた困難を明らかにした研究は見当たらない。今回はこの課題解決の第一歩として、発達障害傾向のある学生が看護技術演習において、どのような困難を感じているのかを探ることから始める。困難の様相について解明後は、看護技術の演習の経験を持つ看護系大学教員や看護教育分野の研究者によって専門家会議を開催し、困難を軽減しながら看護技術を習得できる方略について検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和3年の目標は、学習困難を認識する看護大学生や発達障害を開示し就労する看護師を対象とし、看護技術演習を想起し、自身が抱いた困難を個別インタビュー調査によって解明する予定であった。当事者に対するインタビュー調査という繊細な内容であるため、研究倫理申請に時間を要し、当初予定のインタビュー調査を実施できておらず大幅に遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年は、個人情報保護の観点を強化し、研究計画を立て直し研究倫理審査に臨む。 可能な範囲で個別インタビュー調査を実施し、対象者の抱える困難を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
倫理審査通過に時間を要し、インタビュー調査の実施に至らなかったことが大きな原因である。 令和4年度は、研究計画を見直し倫理審査に臨み、インタビュー調査を実施する。そのため、調査のための旅費や研究協力者の謝金などが必要となる。また、メールや遠隔での会議を設け、専門家からの助言を得ることや研究分担者との検討会議を密に実施していく。
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