研究課題/領域番号 |
21K10652
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高田 望 東北大学, 医学系研究科, 助教 (60746840)
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研究分担者 |
朝倉 京子 東北大学, 医学系研究科, 教授 (00360016)
杉山 祥子 東北大学, 医学系研究科, 助教 (00836174)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 看護提供方式 / 看護の質 / 患者経験 |
研究実績の概要 |
本研究は、看護提供方式が看護師・組織・患者アウトカムに及ぼす影響の解明を目的として実施している。日本の看護提供方式の中で主流であるチームナーシング、パートナーシップ・ナーシング・システム、セル型看護提供方式の3つにフォーカスを当て、それぞれの看護提供方式のアウトカムについて検討を計画している。研究の大きな特徴は、看護提供方式のアウトカムを複数の指標を用いて多面的に測定することである。特に測定が困難な患者アウトカムを評価指標に含めた点は、これまでの研究にはない新しい点であった。患者アウトカムの測定には、先行研究で開発した、Web版Patient eXperience(患者経験:以下PX)調査システムの使用を予定していた。 令和3年度に、看護提供方式のアウトカム測定に先んじて、PX調査システムの項目の修正および妥当性・信頼性の検証に取り組んだところ、既存の調査システムでは適切にPXの評価ができない可能性が高くなった。これらの検討を踏まえ、令和4年には新たなPX評価指標を作成する方針へと変更した。具体的には、患者の経験から看護の質を評価する尺度の開発に向けた予備的インタビュー調査を行った。入院中の患者7名にインタビュー調査を行い、得られたデータを質的に分析し、患者が心地よいと捉える看護師の援助の体系化を行った。この知見は令和5年に学会発表予定である。今後はインタビュー調査で体系化した内容を基盤として、PX評価指標を開発するべく、現在準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画時に使用を予定していたPX評価システムを再評価したところ、課題があることが判明した。そのため、PX評価指標の開発を行う方針としたため、予定よりも進捗が遅れている。また、新型コロナウイルス感染症が当初考えていた以上に長期化したこともあり、病院内での患者調査が停滞した。
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今後の研究の推進方策 |
PX評価指標の開発が遅れているため、看護提供方式の患者アウトカム評価が困難である。令和5年度は、看護提供方式の看護師アウトカムおよび組織アウトカムの評価を先行して実施し、PX評価指標が完成次第、患者アウトカム評価を目指す方針である。
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次年度使用額が生じた理由 |
質問紙調査に使用するPX評価指標の再開発のため、予定していた質問紙調査が実施できていない。研究の遅れおよび新型コロナウイルス感染症の長期化の影響で予定よりも旅費の使用が少なかった。次年度以降に調査を実施する予定であり、今後使用額が増えると見込まれる。
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