研究課題/領域番号 |
21K10657
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
林 佳子 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (50455630)
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研究分担者 |
白井 紀子 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教 (00854093)
中村 康香 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (10332941)
荒川 亜希子 (森田亜希子) 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (10402629)
平石 皆子 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 准教授 (30301419)
松原 まなみ 関西国際大学, 保健医療学部, 教授 (80189539)
坂上 明子 武蔵野大学, 看護学部, 教授 (80266626)
大月 恵理子 順天堂大学, 大学院医療看護学研究科, 教授 (90203843)
林 ひろみ 東邦大学, 健康科学部, 教授 (90282459)
西方 真弓 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (90405051)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 母体胎児集中治療室 / 病床管理 / 総合周産期母子医療センター / 療養環境 |
研究実績の概要 |
国内の看護管理者が行う病床管理とその役割、および周産期母子医療センターにおける病床管理について、文献検討をおこなった。 周産期母子医療センターの病床管理については、研究者が医師であることが多く、その大半は新生児集中治療室の病床数が医療圏に対し充足しているか検討していた。周産期母子医療センターの母体胎児集中治療室および産科病床数が適正であるかの検討は、解説・総説、限定された地域や医療圏での調査報告が散見された。 看護管理者が行っている病床管理に関する研究は、病院全体での病床稼働率の向上を図るうえで課題となる在院日数の短縮と院内全体での空床活用に関する看護部での組織的取り組みについて扱っていた。集中治療室管理料が算定される集中治療室等の有効活用に関する報告はあったが、母体胎児集中治療室の病床活用についての研究結果は見出されなかった。入室する妊産褥婦にとっての環境という視点で、母体胎児集中治療室の病床を分析した研究はわずかに認められたが、医療圏にとっての必要病床数の検討、対象者に必要な療養環境の判断に基づく病床管理、診療報酬を得るために母体胎児集中治療室の病床の効率的な運用に関する研究は認められなかった。総合周産期母子医療センターにおいては、母体胎児集中治療室および産科病床の両方を使って、入院に応需し、療養環境が選択されていると考えられる。総合周産期母子医療センターの産科および母体胎児集中治療室の病床管理について看護管理者が果たす役割について、明らかにしていく視点が明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
全国の総合周産期母子医療センターにおいて、病床管理がどのように行われ、看護管理者の権限と役割を明らかにする調査を行う予定であったが、COVID-19禍においては母体胎児集中治療室に限らず、いわゆるコロナ病棟が編成され、医療施設全体で病床が流動的に運用されていた。母体胎児集中治療室管理料を算定する上で求めらる要件に対しても、一時的に緩和されCOVID-19禍以前とは異なる特殊な状況となっていた。医療施設内では、COVID-19禍の病床管理への影響が大きすぎると判断し、調査開始を先延ばしにすることし、文献検討を行うにとどめた。
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今後の研究の推進方策 |
covid-19禍での産科医療施設での活動実態、助産師の活動について実態報告がされ始めてきた。それらの報告を基に病床管理に関する影響を分析し、covid-19禍の影響を加味した調査内容を追加し研究計画を一部修正する。covid-19禍が完全になくなることを想定せず、影響を加味した調査を行い、総合周産期母子医療センターにおける母体胎児集中治療室と産科の病床管理について明らかにしたいと考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査開始を先送りにしたため、物品や交通費などを執行しなかった。調査の実施に向け謝金や録音・通信機材の物品購入費、調査紙の集計と事務作業の謝金、インタビュー後の文字起こし作業費などが発生する。また文献検討した結果を学会発表するため、学会参加費や交通費を支出する予定である。
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