研究課題/領域番号 |
21K10662
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研究機関 | 愛媛県立医療技術大学 |
研究代表者 |
大野 祐子 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 助教 (30850309)
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研究分担者 |
岡田 ルリ子 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 准教授 (00233354)
徳永 なみじ 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 准教授 (90310896)
野本 百合子 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 教授 (60208402)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | シャドウイング実習 / 看護学実習指導 / 看護学実習指導ガイド |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、看護学実習における看護学生の学習目標の達成を効果的に支援するための一方法であるシャドウイングの方法を用いる実習(以下、シャドウイング実習)に活用できる実習指導ガイドを作成することである。 第1段階として、令和3年度は、看護師を対象に、シャドウイング実習において「看護師が直面する困難」と「看護師の教育的意図とその行動」を解明することを目指した。続いて、第2段階として、看護職養成教育機関に所属する教員を対象に、「シャドウイング形式による実習のねらい」を解明するための調査実施の準備を進める予定であった。これらの調査実施に向け、所属施設において研究倫理審査委員会からの承認を受け、看護師を対象とする質問紙を作成し、その信頼性・妥当性の確認準備を開始したが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、病院への調査依頼を延期せざるを得なかった。そのため、看護職養成教育機関に所属する教員を対象とする第2段階の調査に用いる質問紙を作成し、信頼性・妥当性を確保するための手続きを開始した。現段階では、看護師を対象とする第1段階の調査に用いる質問紙について、専門家による検討を終了し、パイロットスタディを実施中である。また、看護職養成教育機関に所属する教員を対象とする第2段階の調査に用いる質問紙についても、専門家による検討、及びパイロットスタディを終了し、結果分析中である。さらに、本調査に向けて、調査対象とする100床以上の医療施設、および教育機関(大学・専修学校)の選定を終了し、データ収集の準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和3年度は、看護師、教員を対象にした質問紙を作成後、内容的妥当性を確認し、データ収集を開始する予定であった。新型コロナウイルス感染症の影響に伴う、医療施設の看護師への負担を考慮し、データ収集時期を延期せざるを得ない状況となった。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度は、前年度に信頼性・妥当性を確認した質問紙を用いて、時機を見計らい、第1段階として、学生指導を担当する看護師を対象に、シャドウイング実習において「看護師が直面する困難」と「看護師の教育的意図とその行動」を解明するための調査を実施し、内容分析を用いて成果を産出する予定である。また、並行して、第2段階として、看護職養成教育機関に所属する教員を対象に、「シャドウイング形式による実習のねらい」を解明するための調査を実施し、同様に内容分析を用いて成果を産出する予定である。第1段階、第2段階のデータ分析により、結果が明らかになった後は、それらを統合し、第3段階となる「シャドウイング実習の実態及び課題」の明確化を図ると共に、シャドウイング実習の指導において、臨床側、学校側がそれぞれ考慮すべき、課題とその対応策の検討を予定している。 令和5年度には、これらの統合した成果を調査の対象となった実習指導を担当する看護師、及び看護職養成教育機関に所属する教員にフィードバックし、成果の妥当性を検討した後、さらに第1段階から第3段階の成果を統合し、「効果的なシャドウイング実習に向けた看護学実習指導ガイド-病院編」を開発する。加えて、開発したガイドブックを再度、実習指導を担当する看護師と看護職養成教育機関に所属する教員に提示し、評価を得る。その結果をガイドブックに反映することを通して、より活用性の高いガイドブックへと修正する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和3年度は、データ収集を開始予定であったため、データ収集に必要となる質問紙の印刷や郵送、後納郵便等の費用を考慮した経費を計画していた。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、医療施設の看護師への負担を考慮し、データ収集時期を延期せざるを得なかった。そのため、令和3年度に予定していた調査のための経費を執行できなかった。質問紙の送付先選定等の準備は終了しているため、令和4年度には、パイロットスタディによる質問紙の完成後、できるだけ早期に、質問紙の印刷や郵送等に着手し、経費を執行予定である。
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