研究課題/領域番号 |
21K10665
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
新見 千穂 北海道医療大学, 看護福祉学部, 助教 (40825436)
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研究分担者 |
明野 伸次 北海道医療大学, 看護福祉学部, 准教授 (40364260)
平 典子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 特任教授 (50113816)
横川 亜希子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 助教 (30708772)
米川 弘樹 北海道医療大学, 看護福祉学部, 助教 (60825412)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 清拭 / ドライスキン / 高齢者 / 皮膚バリア機能 |
研究実績の概要 |
高齢者は、皮膚生理機能の低下から皮膚バリア機能が破綻し、ドライスキンを生じやすい。ドライスキンは、掻破による炎症や二次感染、スキンテアといった皮膚障害に繋がることが報告されており、症状を悪化させないケアの開発は重要である。そこで本研究は、高齢者のドライスキンに対する「肌にやさしい」清拭方法の探求を目的としている。 2021年度は、ドライスキンといった皮膚バリア機能の低下した皮膚に対して行われる清潔ケアの方法に着目し、症状の悪化に繋がる要因についての文献検討を行った。結果として、以下のことが明らかとなった。 洗浄や清拭時の摩擦刺激は、皮膚本来の皮脂成分を喪失させるため、皮膚バリア機能に重要となる皮脂を除去することに繋がる。加えて、アルカリ性の洗浄剤成分は、皮膚の弱酸性を保つ上で必要な皮脂成分を過度に除去し、pHをアルカリ性に傾かせるため、細菌感染や化学的刺激への静菌・緩衝作用に影響を与える。一方で、皮膚への刺激を最小限にすることを優先し、汚れが放置されると、皮膚バリア機能を破綻させドライスキンを悪化させることになる。つまり、ドライスキンに対する清潔ケアにおいては、「皮膚への摩擦刺激」、「アルカリ性の洗浄剤成分」、「不衛生な皮膚状態」が症状を悪化させる要因であると考えられた。 以上のことから、ドライスキンに対する清拭としては、摩擦刺激やアルカリ性の洗浄剤成分による影響を最小限とし、汚れを除去することが重要であると示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度は、清拭方法の違いによる皮膚バリア機能および洗浄度への影響を実験研究にて調査する予定であった。しかし、COVID-19の影響により、実験対象者の安全面を考慮し中止とした。今後は、COVID-19に関する事態が収束したのち、適切な時期でのプレテストおよび実験を実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、皮膚バリア機能および洗浄度の指標の測定が可能か、各測定機器を用いてプレテストを行う。その上で、清拭方法の違いによる皮膚バリア機能および洗浄度への影響を明らかにするための実験を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度は、皮膚バリア機能および洗浄度を測定する機器を購入予定であったが、COVID-19の影響により実験を中止したため、機器の購入を見合わせたことにより使用額が少なくなった。2022年度は、実験に使用する機器を購入する予定である。
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