研究課題/領域番号 |
21K10690
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研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
金 さやか 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (50736585)
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研究分担者 |
常盤 文枝 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (00291740)
根岸 貴子 東京家政大学, 健康科学部, 教授 (40709250)
富田 文子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (80847939)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ナルコレプシー / 看護 / 過眠症 / 生きづらさ |
研究実績の概要 |
過年度に実施したインタビューデータの再分析により、未診断期間の症状や社会生活への影響、周囲との関係の悪化、治療中の症状コントロールの困難さ、ナルコレプシーに対する無理解な発言を受けること、病気を理解されないという思いがナルコレプシー患者に生きづらさをもたらしていたことが明らかになった。本研究では、看護師による支援モデルの開発を目的としています。そこで、看護師による支援のあり方を検討する前段階として、看護師のナルコレプシーに関する知識の保有程度や病の深刻さの認識などの実態を調査し、患者支援における課題を明らかにした。
看護師資格を持つ者を対象とした質問紙調査(WEB調査)の結果、約2割がナルコレプシーを「知らない」と回答しました。ナルコレプシーの睡眠発作(日中の眠気)以外の代表的な症状(入眠時幻覚、睡眠麻痺、情動脱力発作)については、20-40%がそれらの症状を知らなかったと回答した。また、約7%がナルコレプシーを「深刻ではない」と捉え、約27%が「わからない」と回答した。ナルコレプシーによる全般的健康、社会生活、生活の質への影響がどの程度かについて「わからない」と回答した者は15%前後だった。
日本は世界で最もナルコレプシーの有病率が高いとされている。そのため、看護師が外来などで対応する機会も多いと考える。それにもかかわらず、ナルコレプシーという病気の認識や知識が不十分であるという問題がある。ナルコレプシー患者が適切にフォローされるためには、看護師をはじめとする医療従事者や福祉職への啓発が必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
データの再分析を行い、改めて調査対象・内容を検討したことで、調査開始が遅れた。しかし、すでに質問紙調査は終えており、研究の進捗は問題ない。
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今後の研究の推進方策 |
患者の生きづらさ解消には、医療従事者やナルコレプシー当事者の周囲にいるものが病気を正しく理解する必要がある。そのため、当該年度は一般のナルコレプシー認知度について調査・データ分析を行う。 これらの調査結果を統合し患者の生きづらさ解消のための看護・医療者の役割について提案する。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査対象や方法の変更に伴い、調査の開始が遅れ、調査費用の支出が予定より少なかったため、
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