研究課題/領域番号 |
21K10694
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
西山 涼子 和歌山県立医科大学, その他部局等, 看護師長 (00866402)
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研究分担者 |
田島 文博 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (00227076)
幸田 剣 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (20433352)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 脊髄損傷者 / 排便コントロール / 超音波検査 / 非侵襲 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、排便コントロールに難渋する脊髄損傷者に対して非侵襲的なBモードエコーアセスメントを活用することで、看護師が貯留便の量と性状を適切に評価し、適切な排便時期と方法を確立することである。 2022年度は、入院中の患者20名を対象とし、直腸のエコー画像のデータを収集し、便秘時のケアの確立に向けた看護師の実践を明らかにする予定であった。直腸画像のデータを収集できたのは12名であった。 直腸内の高エコー域の長径と便の硬さから、排便方法を変更した患者が5名であった。5症例の共通点は、決めた日に排便を出し切るために、過剰な緩下剤の内服を行っていたことである。5症例中3症例は、大腸刺激性下剤を寝る前に5錠から7錠内服し、排便時には、浣腸と摘便を併用し排便を行っていた。大腸刺激性下剤の作用から排便前日以外に内服する必要はなく、同時に1回の使用量が最大使用量1回48㎎を超えて使用していた。 エコーを用いて、排便後から次の排便までを経時的に観察を行った。5症例に共通して観察されたのは、腹部に排ガスが多く充満している点と排便に費やす時間が長時間になっていることであった。便の動き、硬さ、量から判断し大腸刺激性下剤は、排便前日のみに減量することで薬剤の調整を図った。排便日には、直腸内と下行結腸の便は排出され、排便日以外の便失禁は認めなかった。同時に、排便に費やす時間減少することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度も、2021年度同様に、COVID-19の影響により、対象者の入院が減少したこと、また在宅への訪問が困難な状況下にあったため、対象者の確保が困難であった。状況を鑑みながら、急性期の患者への測定と在宅への訪問を開始していく。よって、やや遅れていると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
COVID-19の影響のにより、対象者の確保が遅れているため、2023年度は、入院中の脊髄損傷者と在宅で生活をしている対象者および急性期の患者を並行して排便ケアを実施しながら、データのまとめと学会発表をおこなうこととする。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の状況により、対象患者数が確保できなかった。 2023年度は、その分対応する計画とする
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