研究課題/領域番号 |
21K10719
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研究機関 | 石川県立看護大学 |
研究代表者 |
牧野 智恵 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (60161999)
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研究分担者 |
松本 智里 石川県立看護大学, 看護学部, 准教授 (10738389)
瀧澤 理穂 石川県立看護大学, 看護学部, 助教 (00832932)
今方 裕子 石川県立看護大学, 看護学部, 助教 (10832933)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 遺伝子パネル検査 / がん患者 / 体験 / 意思決定 |
研究実績の概要 |
本研究目的は、がん遺伝子パネル検査を受ける患者の世界(体験)を明らかにすることである。パネル検査から治療実施するまでには、①がん遺伝子パネル検査の説明時、②検査結果の告知時、③治験・臨床検査実施あるいは治療の中止のポイントがある。この一連の過程を参加観察と対象者への面談を通して、心の揺れを含む患者の世界を明らかにする。その上で、パネル検査説明、治療への看護における課題を明らかにする。 令和4年度は、コロナの流行の関係で、2カ所の大学病院から紹介のあった対象者は1名のみであった。令和2年度から本年度までに実施した対象者は、計12名で、その分析結果を、日本がん看護学会で報告するのみに終わった。 結果:他の治療がない】【病状改善への期待】【後悔したくない】【周囲の勧め】【今後の医療のため】【検査の負担が少ない】といった動機から受検を決めていた。その一方で、患者は意思決定を行うまでに【検査結果に関すること】【費用負担に関すること】【検体採取に関すること】などといった戸惑いを抱いていた。その戸惑いを解決するために患者は、【治療について情報収集を行う】【治療について医師に相談する】などという行動をとっていた。二次的所見に対しては、【家族性腫瘍の懸念】【知り得ることは全て知りたい】 などという理由から開示を希望していた。 また、検査結果の説明を受け、言葉を失う者や医師に今後について尋ねる者がいた。 考察:看護師は、医師との情報共有を行うと共に、説明の場への同席や その前後で患者のパネル検査の認識や戸惑い等を理解し、それに応じた支援を行うことが必要である。また、特に二次的所見の開示については、患者自身だけではなく、家族の思いを含めた意思決定ができるように支援していくことの重要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2022年度は、データを取る時期に、新型コロナ感染が拡大し、パネル検査を受ける患者からのインタビューの了解が得られなかった。また、研究代表者の定年に伴い、年度末には、新たな施設での研究者公募開始のために倫理申請の手続き等を行った。 2023年度は、新しく福井県に調査施設を拡大し、目的の対象者数に面談を行う予定である(2023年3月下旬に、倫理審査を終え、4月から関係者での打ち合わせを行い、参加者を募っている)
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今後の研究の推進方策 |
今後は、研究参加施設を追加し、継続して調査を進める。2022年度3月下旬に施設への倫理審査を受け、承認が得られた。2023年5月から、研究協力いただける対象者を募り、調査を再開する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度は、コロナ感染拡大の関係上、大学病院での対象者の協力が得にくい状況であった。2023年度は、予定の対象者及び、これまでの残りの対象者分への謝品、調査旅費が必要になる。新しい施設の関係者との打ち合わせ会議費、専門知識の提供、参加者公募っポスター作製費等の予算が必要になると思われる。
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