研究課題/領域番号 |
21K10727
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
藤澤 希美 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 講師 (60763258)
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研究分担者 |
相澤 和美 国際医療福祉大学, 医療福祉学研究科, 特任教授 (40296520)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | リカバリー / 精神科看護師 / 精神障害者の参加 / 教育プログラム |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、【研究1】リカバリー志向に基づいて実践できる精神科看護師を育てるためのオンライン教育プログラムを考案し、【研究2】精神科病院に勤める看護師に研究1で作成したプログラムを実施、【研究3】プログラムの効果を検証することである。2020年度は【研究1】について、①看護師のリカバリー志向性を高めるプログラムの文献レビュー、②精神科看護師の対話実践の研修の企画と実施、③精神障害者の協力を得てリカバリーについて学ぶ講座を共同で企画、実施した。結果の概要は以下の通りである。 ①精神医療福祉専門職者がリカバリーを学習するプログラムは35件あり、その中でも精神障害者が専門職者のプログラムへ参加することにより、精神医療福祉専門職者のリカバリー志向性を高めていた。そのため、本教育プログラムにおいても精神障害者の参加が重要であることが明らかとなった。また、看護師のリカバリー志向性は、国や地域の文化が大きくかかわるため、病院で働く看護師の背景を理解したプログラムを作成する必要があることがわかった。 ②精神科看護師の対話実践への興味・関心は強いことが明らかとなった。精神障害者のリカバリーを促進するための対人関係スキルの向上に向けた教育プログラムを本研究に含めることにより、より臨床現場に即した看護実践力を育むことできると示唆された。 ③精神障害者と共同で企画した講座を実施した結果、精神障害者が自らの入院体験やリカバリーに影響したスタッフのかかわりを語ること、受講者が自分のリカバリーについて考えることで、リカバリーへのイメージがもてるようになっていた。しかし、専門職者に特化した受講生の変化については、現在分析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の影響により、すべての打ち合わせをオンラインで実施することとなり、研究協力者の負担を軽減するため、プログラム作成や実施が延期し、データの解析が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
遅れているデータ分析は、スーパーバイズを受けながら進める。【研究2】に向けて、研究対象に合わせて教育プログラムを再構築する。その際、教育学者の協力を得る。並行して、精神科病院へ研究協力を依頼し、作成した教育プログラムを精神科病棟看護師へ実施し、評価していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19により、参加を予定していた海外研修が中止となり、断念せざるを得ない状況が生じた。2022年度もCOVID-19の影響が予想されるため、海外研修はオンラインでの受講を視野に入れる。また、研究協力者との打ち合わせやプログラムの実施は、引き続きオンラインを使用する。さらに、本研究のデータを分析し、学会発表や論文化を行っていく。これにより、次年度は海外研修費やオンライン会議による通信費、学会発表に伴う旅費等の経費にあてる。
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