研究課題/領域番号 |
21K10737
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
山崎 智子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 非常勤講師 (10225237)
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研究分担者 |
内堀 真弓 自治医科大学, 看護学部, 准教授 (10549976)
浅野 美知恵 東邦大学, 健康科学部, 教授 (50331393)
本田 彰子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (90229253)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | グリーフケア / 地域共生 / サポートモデル |
研究実績の概要 |
本研究は、一般市民が死別後のグリーフやそのケアについて理解し、死別を経験した人々とこれから死別を経験することになる人々が、共に助け合ってグリーフを癒していく地域共生社会の土壌作りのシステムを構築していくための基礎研究を行う。本研究は2部構成で、1部は、国内のがんカフェやサポートグループ、および施設や在宅医療機関における主催者が抱えるグリーフケアの現状や困難、また参加する死別者が抱える困難や求める支援などについて調査で明らかにする。 その結果をもとに第2部では地域においてグリーフを学び支えあえるモデルとしてサポートプログラムを作成し、支援プログラムを実施し、その効果を検討し、「地域で共にグリーフを癒すサポートモデル」の精錬を図るものである。 <研究成果>2022年度も2021年度に引き続き新型コロナウイルス感染症のため、医療者やサポートグループ主催者へのインタビューやフォーカスグループインタビュー、および死別者へのインタビューの実施を見送った。国外のグリーフケアの団体の視察も海外への渡航が難しいため、行えない状況であった。国内でもサポートグループの集まりは中止やオンラインでの開催を余儀なくされていたため視察などは困難となった。そのため2022年度も研究者のかかわりのあるグリーフケア主催者のヒアリングと研究者が関わっている死別者のヒアリングにとどまった。ことに施設では死別前の家族の面会制限で家族とのかかわりが難しく、死別後のケアに向けても困難がある状況で、そのことによる医療者の疲弊やグリーフがあった。死別者に関しても集まりが制限されることでの孤独感や時間が止まっている感覚など、聞き届けてもらいたい気持ちが抑え込まれているという現状があった。この感染症拡大の3年間の状況も踏まえ、今後の調査のためにグリーフケアと死別者の現状と課題や困難について有用な内容を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2021年度と同様に2022年度も新型コロナウイルス感染症のため、医療者やサポートグループ主催者へのインタビューやフォーカスグループインタビューが難しい状況にあった。ことに施設や事業所ではこれまでのような家族を含めた濃密なエンドオブライフケアとそこに引き継がれるグリーフケアの実施といったことが困難で医療者の心も疲弊しており、インタビューに応じるなどの状況になかった。ケアを受けている死別者へのインタビューも対面が望ましいと考え、実施を見送っている状況であった。海外のグリーフケアの団体の視察も行えない状況であった。国内でもサポートグループの集まりは中止やオンライン開催を余儀なくされていた。研究者が関わる施設の主催者とサポートグループでのヒアリングにとどまり、当初予定したインタビュー調査に難渋し、本格的調査に至らなかった。これらのことから研究の達成度は「遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、遅れている基礎調査に本格的に取り掛かり、開催が再開されたサポートグループへの参加・視察も行う。その結果をもとにして地域においてグリーフを学び支えあえるモデルとしてサポートプログラムを作成し、支援プログラムを実施し、その効果を検討し、「地域で共にグリーフを癒すサポートモデル」の精錬を図り、支援方略を示す。
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次年度使用額が生じた理由 |
国内外のサポートグループ視察が困難で、また現場が調査に応じられる状況になかったことや死別者へのアクセスも難しく、本格的に調査の開始が困難だったため、次年度使用額を生じさせた大きな理由である。 使用計画として、2023年度は、研究体制の再構築を進める。調査及びサポートプログラムの構築・実施、学会等への参加、投稿に関する費用、支援プログラムに関連する機材の調達や資料等の作成、専門家による知識提供に関する増額が予測される。
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