研究課題/領域番号 |
21K10739
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
佐藤 一樹 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (60583789)
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研究分担者 |
安藤 詳子 一宮研伸大学, 看護学部, 教授 (60212669)
杉村 鮎美 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 講師 (60521854)
宮下 光令 東北大学, 医学系研究科, 教授 (90301142)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 末期医療 / がん / 非がん / 延命治療 / 緩和ケア |
研究実績の概要 |
本研究は、NDB等の医療ビッグデータを活用した疫学研究により、全国の終末期患者の療養場所や医療の実態を都道府県や2次医療圏別に示して地域差の実態を明らかにし、地域の医療社会的背景との関連の分析により地域差の要因を検討することである。初年度である本年度は以下を行った。 1)既に取得したがん死亡者に関するNDBデータを用いた、都道府県別がん末期医療の質指標と医療社会的指標との地域相関分析を引き続き行った。がん死亡者に対して死亡前の積極治療や緩和ケアに関する質指標を算出し、都道府県の人口・世帯・住宅・経済関連の指標との関連を分析した。死亡前の抗がん剤処方、ICU利用、延命治療、重症での緊急入院、専門的緩和ケア、オピオイド処方の指標について変動係数CVを算出し、ICU利用(CV=0.40)、緊急入院(CV=0.37)、専門的緩和ケア(CV=0.37)で地域差が大きく、その他の指標の地域差は相対的に小さかった(CV<0.2)。多変量解析の結果、専門的緩和ケア利用(緩和ケア病棟、緩和ケアチーム)は、病院リソースの豊富さ、都市部、若い世代若い世代に関する指標と関連した。死亡前の緊急入院は、病院リソースの乏しさ、緩和ケア研修の受講の少なさ、若い世代に関する指標と関連した。ICU利用の地域差は大きかったがICU利用の頻度が稀で狭い範囲での変動であり、海外と比較して低い範囲内であった。 2)非がん死亡者に関するNDB特別抽出データの提供申請:悪性腫瘍、心疾患、肺炎、脳血管疾患等の死亡者を対象に死亡前1年間のレセプト情報に関するNDB特別抽出のデータ提供を依頼した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
非がん死亡者に関するNDB特別抽出データの提供の進捗が遅れているため
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今後の研究の推進方策 |
当初計画通りに進めていく
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次年度使用額が生じた理由 |
NDB特別抽出データの利用料の支払いが高額になることが見込まれ、今年度の予算執行を控え翌年度に繰り越した。
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