研究課題/領域番号 |
21K10802
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
糸島 陽子 滋賀県立大学, 人間看護学部, 教授 (70390086)
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研究分担者 |
橋本 宣慶 滋賀県立大学, 工学部, 准教授 (00433699)
植村 小夜子 佛教大学, 保健医療技術学部, 教授 (10342148)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 看取りケア / 臨床推論力 / アバター / 教材開発 |
研究実績の概要 |
R4年度は、R3年度作成したシナリオを用いてプレ調査を行った。
対象者は、新卒1名、中堅2名、教員経験のある上級者1名の計5名で、Frommeltの医療者のターミナルケア態度尺度日本語版(FATCOD-FormB-J)の「死にゆく患者へのケアの前向きさ」は、2名上昇、3名低下、「患者・家族を中心とするケアの認識」は、4名上昇、1名低下、「死の考え方」は、2名上昇、2名変化なし、1名低下となった。 対象者の行動(臨床推論)は、新卒以外は事例をもとに患者の状態を推測して呼吸状態の観察から行っていた。しかし、呼吸や血圧の低下に伴う警報アラームが鳴りはじめたあたりから対応に動揺がみられた。体験後のインタビューでも、「実際の患者ならもう少し手が出せたと思う」「アバターに対してどのようにすればよいのか戸惑った」などの発言がみられた。 また、システムについては、「システム内での相手の身振りや仕草から実際の相手の雰囲気を想像できるか」「システム内での患者の脈を取ることから実際の作業は想像できるか」などについては、課題が残る回答であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
病院での看取りを想定したシナリオに絞りVR教材を作成しているが、臨床推論するための患者アバターの体調変化をシステムに反映するのに時間を要している。 また、プレ調査を実施して臨床推論力を客観的に評価するための指標を再検討している。
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今後の研究の推進方策 |
シナリオは、一般病棟での看取りを前提としたものに絞り修正していく。 システムは、病室や患者アバターの動きを再度調整していく。 臨床推論力の評価は、客観的に評価できるものを再検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため情報収集予定の学会や研修会に参加できず、旅費を繰り越すこととなった。 また、プレ調査は実施したがアバターの調整に時間を要しているため、本調査までいかず謝金等の予算を繰り越すこととなった。
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