研究課題/領域番号 |
21K10808
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
濱田 千江子 順天堂大学, 医学部, 教授 (50291662)
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研究分担者 |
桑村 淳子 順天堂大学, 保健看護学部, 講師 (80615815)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 透析患者 / ヘルスリテラシー / IOT利用の支援 / 通信環境 / セルフヘルスケア / フレイル |
研究実績の概要 |
維持透析患者が、透析管理や透析療法の継続・中止する自己の意思決定などの自身の健康管理に消極的である原因として、患者の社会的孤立や健康医療情報の不足によるヘルスリテラシーの低さが背景にあり、通信環境の整備・IOT利用の支援をはじめとする介入が臨床的経 過ならびに健康生活の自己管理の向上につながるとの仮説のもと、通信環境の現状を調査し、環境とヘルスリテラシーの関連性、通信環境とセルフヘルスケアとの関係を検討し、その要因を抽出する。 本研究は、以下の4つの研究から構成される。【研究1】維持透析患者の通信環境・ヘルスリテラシーおよびフレイルに関する現状の調査。【研究2】維持透析患者の通信環境のヘルスリテラシーおよびフレイルへの影響とその要因に関する検討。【研究3】維持透析患者の通信環境の透析自己管理および予後への影響とその要因に関する検討。【研究4】通信環境介入によるヘルスリテラシーおよびフレイル発症・進展への効果の検討。 2021年度は、【研究1】維持透析患者の通信環境・ヘルスリテラシーおよびフレイルに関する現状の調査を、研究首都圏近傍で200名以上の維持透析患者を管理する5透析施設で実施した。 研究計画STEP1にそって、①維持透析患者の通信環境(利用できる通信手段、日常社会情報を収集する手段、スマートフォンの利用状況(利用時間を含む)・利用携帯の種類、アプリの利用状況等)のアンケート調査、②フレイル健診の質問票を基本とするフレイル調査、③握力測定を参加者222例でおこなった。 現在参加施設からのアンケートならびに参加者の属性等背景の情報を収集し、データ固定のための整理を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、以下の4つの研究から構成される。【研究1】維持透析患者の通信環境・ヘルスリテラシーおよびフレイルに関する現状の調査。【研究2】維持透析患者の通信環境のヘルスリテラシーおよびフレイルへの影響とその要因に関する検討。【研究3】維持透析患者の通信環境の透析自己管理および予後への影響とその要因に関する検討。【研究4】通信環境介入によるヘルスリテラシーおよびフレイル発症・進展への効果の検討。 2021年度は、【研究1】維持透析患者の通信環境・ヘルスリテラシーおよびフレイルに関する現状の調査を、研究首都圏近傍で200名以上の維持透析患者を管理する5透析施設で実施し、試験参加期間は2021年秋から2022年3月31日であった。 5施設の倫理委員会申請の書類準備に手間取り、開始時期が遅れたため、年度最終日までを参加期間としたため、データ収集・データ整備がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に沿って、【研究2】維持透析患者の通信環境のヘルスリテラシーおよびフレイルへの影響とその要因に関する検討。として、透析室施設でのスマートフォン利用講習会を実施予定であるが、COVID-19感染症予防の視点から施設で利用ビデオの定期的放映(スマホ講座)に変更し、現在準備中である。実施環境の整備として、研究1に協力いただいた施設に対して、第2の臨床研究実施のための書類も準備を行い、承認を得られた施設から順にスマホ利用ビデオを流し、情報発信する。効果の判定は、研究1で使用したアンケート調査と同じものを使用して、通信機器利用の変化とフレイル状態の変化等を比較検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
他施設倫理申請にかかる費用が半減され、説明書類やアンケート調査票等の一括印刷で費用削減された。 利用者の通信機器利用の能力が低いことが分かり、昨年の繰越金も追加使用して、研究3で使用予定のアプリをアンドロイド対応に拡張し、簡便で利用しやすい形式に改変する予定である。
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