研究課題/領域番号 |
21K10814
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
的場 圭 関西医科大学, 看護学部, 講師 (20780448)
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研究分担者 |
三木 明子 関西医科大学, 看護学部, 教授 (30315569)
矢山 壮 関西医科大学, 看護学部, 准教授 (30584552)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 精神科病院 / 虐待 / 不適切行為 |
研究実績の概要 |
本研究は、全国の精神科病院に勤務する看護職を対象に入院患者への不適切行為および虐待の実態を明らかにし、虐待を起こさない組織文化の醸成につながる防止策を検討し、指針を作成することを目的としたものである。 諸外国における精神医療サービス内で起こる医療従事者から精神障害者への虐待・不適切行為に関する文献レビューを行った。職員からの虐待を経験していたものは、12~30%であり、約6%の女性が性的暴行を経験していた。質的な研究においても、患者にとって入院環境が必ずしも安全ではない体験が記述されていた。 2022年度は、管理者への調査および職員への実態調査を行う予定であった。管理者への調査については、現在インタビューを進めており、今後もデータ収集と分析を行っていく予定である。職員への実態調査については、国内外の先行研究のレビューをもとに、質問紙の作成を行っているところである。実際の虐待対策実情を精神科病院でヒアリングすることを予定していたが、新型コロナ感染症の流行もあり実施ができない状況が続いた。 現在も国内では精神科病院における患者への虐待の事例が報告されており、医療機関における虐待通報に関しても法制化された。このような状況において不適切行為、虐待の行為者の個人の責任だけに帰さない組織的な虐待防止策を検討する意義は大きい。今後は、先行研究でも精神障害者に対する虐待の実態が十分に明らかにされていないことから、本研究では、まず管理者を対象としたインタビュー調査をまとめていく。その後、インタビュー結果を踏まえて、調査用紙を作成、全国の精神科病看護管理者および看護職員を対象とした横断調査を実施していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では、不適切行為、虐待というセンシティブなテーマであることから横断調査の実施前にヒアリングおよびインタビューを予定していたが、新型コロナ感染症の流行もあり実施が遅れており、全体の進捗もやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、まず管理者を対象としたインタビュー調査を引き続き実施していく。また、インタビュー結果およびレビューの結果を踏まえて、調査用紙を作成し、全国の精神科病看護職員を対象とした横断調査を実施していくことを考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度は既に入手済みの文献によるレビューを中心に進めたため支出が少なくなった。また、当初は、ヒアリングのための実地調査の旅費、横断調査による質問紙の作成、郵送を予定していたが、研究の進捗の遅れにより次年度使用額が生じた。2023年度に実地調査の旅費、質問紙の作成、郵送費用として使用していくこととする。
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