研究課題/領域番号 |
21K10830
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研究機関 | 大分県立看護科学大学 |
研究代表者 |
梅野 貴恵 大分県立看護科学大学, 看護学部, 教授 (70382447)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 離乳後女性 / 骨代謝プロフィール / エクオール産生能 / 骨密度回復 / 長期授乳経験 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、離乳後女性のエクオール産生能と骨代謝プロフィール回復状態の推移との関連を明らかにすることである。離乳後に骨密度は回復するとされるが、その回復の時期はさまざまである(古謝2000)と報告されており、離乳期以降の骨代謝マーカーの推移は明らかになっていない。近年の出産年齢の高齢化により、離乳後の骨代謝回転が回復しないまま更年期に移行した場合は、閉経後のエストロゲン低下による骨粗鬆症や骨折リスクが早期に生じる可能性も推察される。そこで、離乳期以降の骨代謝プロフィールの回復時期やエクオール産生能別に回復状態の程度を明らかにすることで、更年期に至るまでの骨の健康への予防対策が示唆される。 令和3年度は、先行研究の検討を行い、離乳後数か月~3年で回復したとの報告(米山2002)はあるものの、12か月以上の授乳を実施したあとの離乳女性は2名であり、長期間の授乳経験者は少ないことがわかった。また、妊娠・授乳後の骨粗鬆症の治療には、たんぱく質、カルシウム、ビタミンD、ビタミンKの摂取と習慣的な運動が推奨されていることから(石橋2019)、離乳後の骨密度回復にも食事や運動などの生活習慣が影響していることも推察された。これらを踏まえて研究計画書の作成を行った。コロナ禍の影響で施設への立入制限があり、研究協力者(青山整形外科クリニック院長)との打ち合わせが実施できず、令和4年2月に打ち合わせを行った。令和4年4月に大分県立看護科学大学研究倫理・安全委員会に申請し承認を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和3年度の秋には、大分県立看護科学大学研究倫理・安全委員会に研究計画書を申請し承認を得る予定であった。しかし、コロナ禍の影響で本来業務である教育活動のうち、臨地実習施設の受入れ不可等による代替の実習や実習時期変更に伴い、通常業務が煩雑になり、研究計画書作成に着手できなかった。また、研究協力者である青山整形外科クリニック院長との打ち合わせも延期となり、計画を進められなかった。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年4月に大分県立看護科学大学研究倫理・安全委員会に申請し、研究実施の承認を得た(承認番号22-2)。現在もコロナ禍で研究協力施設の立ち入り制限が続いている。感染の状況をみながら、研究協力者と打ち合わせ、調査開始時期を慎重に検討する。対象者のリクルートをするために、乳房ケア専門助産院へ対象者を紹介していただくための依頼を行う。調査対象者は20名の予定であるため、学内の共同研究者と協力して、12か月以上の授乳を経験し離乳予定の女性のリクルートを行い、調査を開始する。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和3年度中に調査実施に至らなかったため、当該助成金は未使用である。令和4年度中に対象者をリクルートし調査実施するため、令和3年度分と合わせて使用する予定で準備を開始している。使用予定は、血液検査料、尿中エクオール測定料(採尿キット)、食物摂取頻度調査票(アウトソーシング含)、骨密度測定費用、調査謝礼、調査補助員の謝礼、消耗品(採血用具一式、文具等)である。
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