研究課題/領域番号 |
21K10845
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研究機関 | 神戸常盤大学短期大学部 |
研究代表者 |
中村 美紀 神戸常盤大学短期大学部, 口腔保健学科, 講師 (10825029)
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研究分担者 |
八木 孝和 神戸常盤大学短期大学部, 口腔保健学科, 教授 (10346166)
吉田 幸恵 神戸常盤大学短期大学部, 口腔保健学科, 教授 (50269841)
福田 昌代 神戸常盤大学短期大学部, 口腔保健学科, 教授 (80530831)
浅枝 麻夢可 神戸常盤大学短期大学部, 口腔保健学科, 助教 (90756412)
小林 容子 神戸常盤大学短期大学部, 口腔保健学科, 助教 (90847021)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | お口ぽかん / 口唇閉鎖不全 / 口腔機能発達不全 / 幼児 / 成長発育 |
研究実績の概要 |
近年、口腔機能の発達に問題がある(口腔機能発達不全)子どもが増加傾向にある。本研究の対象であるお口ぽかん(口唇閉鎖不全)は、この口腔機能発達不全症の症状のひとつである。しかし、お口ぽかんを病的な症状と認識する保護者は少なく、また、お口ぽかんが、成長発達に与える影響については未だ明らかにされていない。そこで、本研究では、幼児の口唇閉鎖力と生活習慣を調査することにより、お口ぽかんが成長発達に与える影響について明らかにすることを目的とした。これにより、お口ぽかんを含む口腔機能発達不全に対する早期からの介入と支援が可能となり、口腔機能及び心身の健全な成長発達に対する育児支援が期待される。 令和3年度前半はコロナ禍により調査の実施が困難であったが、後半より感染予防対策を徹底したうえで、4歳児31名、5歳児30名の計61名に対しお口ぽかん調査を実施した。調査内容として、対象者に対しては歯科健診と口唇閉鎖力等の口腔機能測定、および鼻閉塞検査を実施し、対象者の保護者に対しては子どもの生活習慣に関するアンケートを実施した。 調査の結果より、お口ぽかんの発現率は45.9%(4歳児45.1%、5歳児46.7%)であった。対して、子どもがお口ぽかんであると認識していた保護者は14.8%(4歳児12.9%、5歳児16.7%)であり、お口ぽかんを病的な症状と認識する保護者が少ないことが新たになった。また、お口ぽかんと幼児の発達に影響を及ぼす栄養状態との関連について検討したところ、お口ぽかんと痩せ(低栄養状態)に関連性があることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍により調査の実施が困難であり、データ採取も当初の予定(4.5歳児計200名)より大幅に少ない61名であった。そのため、幼児の成長発育に与える影響に関する検証を行うことも困難であった。また、お口ぽかんを認める対象者に対する介入と支援も、コロナ禍により望まない保護者が多く、実施は皆無であった。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度と同様の調査を感染予防対策を徹底したうえで、対象者数が目標に達するまで実施し、データを追加する。追加採取したデータは検証を行い、得られた成果を都度、関連学会にて報告する。 お口ぽかんを認める対象者の介入・支援に関しては、リモートによる指導やトレーニング用の動画作成等で臨機応変に対応し、適切な介入時期や支援方法について検証する。 検証結果を基に、お口ぽかんが口腔機能を含む心身の成長発達に影響を与えることを明らかにし、得られた成果を論文化する。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和3年度にデータ採取のための調査実施、及びその結果を基に学会等で発表する予定であったが、コロナ禍により研究が中断されたため未使用額が生じた。 令和4年度は対象者数が目標に達するまで調査を実施し、その結果の解析と学会での発表を予定しており、助成金はそのための器材、消耗品及び人件費等のに経費に充てる。
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