研究課題/領域番号 |
21K10878
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
立岡 弓子 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (70305499)
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研究分担者 |
土川 祥 (山下祥) 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (40534201)
一杉 正仁 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90328352)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 添い寝 / 添え乳 / 乳房圧迫死 |
研究実績の概要 |
2010年1月から2021年7月までの11年間にS県内で司法解剖された、【睡眠中の乳児窒息死症例】について、以下の調査項目を剖検記録より転記した。また、添い寝・添え乳に起因した睡眠中の乳児窒息死症例17例についてさらに検討をおこなった。本研究課題は滋賀医科大学研究倫理審査委員会で承認を得て実施した。(R2021-136) 乳児の窒息死発生時の月齢は4.5±2.8 (M±SD)カ月、性別では男児が18例(64.3%)、女児が10例(35.7%)であった。出生順位では、第1子が7例(25.0%)、第2子以上が21(75.0%)、出生時体重は2962.9±314.8g、出生時身長は48.8±1.7㎝であった。低出生体重児での出生例は1例であり、他は正期産で在胎週数相当の体重であった。また、窒息の原因となり得る先天性疾患や奇形をもって出生した児はいなかった。母親の年齢は29.6±7.3 歳であった。 死亡発見時の児の体位は【仰臥位】12例(42.9%)、【側臥位】2例(7.1%)、【伏臥位】14例(50.0%)であった。使用していた寝具は、【子ども用寝具】9例(32.1%)、【ソファー】1例(3.6%)、【ラグマット】1例(3.6%)であり、残る15例(53.5%)は【大人用寝具】であった。1例(3.6%)は【大人用ベッドと子ども用ベッドの間】、1例(3.6%)は敷布団にドーナツ型のクッションを置き、シーツをかぶせた状態で児を寝かせていた。 発見時刻は【午前6時台】が4例(14.3%)と最多であり、【午前6時~10時】の間に発見された症例が16例(57.1%)であった。入眠から死亡推定時刻までの時間は120±96(M±SD)分、入眠時の外気温は13.3±8.6℃、死亡推定時刻の外気温は12.9±8.9(M±SD)℃であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
過去11年間に司法解剖にて乳幼児窒息死症例の背景要因について、分析を行っている。令和3年~4年に実施予定の死亡例の背景分析について、おおむね8割の分析が終了している。
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今後の研究の推進方策 |
添い寝及び添え乳の発症原因にある背景要因を抽出し、実際に母乳哺育をしていく母親への実態調査と助産師の認識に関する研究に取り組んでいく。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和4年度は、全国を対象とした添い寝及び添え乳の実施状況の大規模調査を行う予定であるため繰り越しとした
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