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2023 年度 実施状況報告書

添い寝および添え乳に関するリスク評価と文化的伝承の意味づけ

研究課題

研究課題/領域番号 21K10878
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

立岡 弓子  滋賀医科大学, 医学部, 教授 (70305499)

研究分担者 土川 祥 (山下祥)  滋賀医科大学, 医学部, 講師 (40534201)
一杉 正仁  滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90328352)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード添い寝 / 添え乳 / 乳房圧迫死
研究実績の概要

授乳ケアを担う助産師への添い寝・添え乳に関する理解について実態調査を実施した。85名の助産師について回答を得た。乳児への「添い寝の正しい実施方法を学ぶ機会があったか」に対しては「学ぶ機会がなかった」が23名(27.1%)、「助産師学生時代に授業等で学んだ」23名(27.1%)、「助産師の先輩から学んだ」21名(24.6%)、「教科書等で学んだ」7名(8.2%)、「育児経験者から学んだ」5名(5.9%)、「セミナーや講演会で学んだ」4名(4.7%)であった。
「今までの就業施設で添い寝に関するマニュアルや方針があったか」に対して、「アニュアルがなく、助産師が独自の方法で指導を実施していた」と回答した助産師が26名(30.6%)、「添い寝が禁止されていた」21名(24.7%)、「マニュアルはないが添い寝を指導していなかった」20名(23.5%)、「マニュアルにて実施方法や指導方法が統一されていた」17名(20.0%)であった。
「添い寝が乳児窒息のリスク因子であると思う」と回答した者が57名(67.1%)、「リスク因子だと思わない」28名(32.9%)であった。添い寝を母親に指導している助産師が31名(36.5%)、指導していない助産師54名(63.5%)であった。
助産師自身の年齢や子どもの有無、添い寝・添え乳の実施経験はその指導や危険認識に関与していなかった。添い寝・添え乳による窒息のリスクを認識している助産師は約7割であり、認識していない助産師も授乳ケアに従事していることが明らかとなった。合併症のある母児には添え乳を推奨しない助産師が多いが、疲労感の強い母親、夜間授乳、未定頸の乳児は添え乳に適さない要因とは考えられていなかった。また、約半数の施設は添い寝・添え乳に関するマニュアル等が作成されておらず、添い寝・添え乳を実施する助産師もいる一方で、その推奨の是非に悩む助産師がいることも示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

インターネット調査によりデータを回収したが、データセットの作成に時間を要し、また、詳細な解析と論文投稿(国際誌)に取りかかることができなかった。

今後の研究の推進方策

乳幼児窒息死症例の司法解剖の剖検症例、授乳経験のある母親への添い寝・添え乳のヒヤリハット経験の実態、助産師への添い寝・添え乳の認識に関するデータをまとめ、国際誌への研究成果の発表をこの1年でタイムリーに実施していく。

次年度使用額が生じた理由

国際学会での発表と国際誌への論文掲載で執行する計画である

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 添い寝および添え乳に関するリスク評価と文化的伝承の意味づけ2023

    • 著者名/発表者名
      中野美夏 立岡弓子 一杉正仁
    • 雑誌名

      母性衛生

      巻: 第64巻1号 ページ: 212-220

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 添い寝・添え乳に関する助産師への実態調査2023

    • 著者名/発表者名
      中野美夏 立岡弓子 一杉正仁
    • 学会等名
      第64回日本母性衛生学会学術集会
  • [図書] ペリネイタルケア2023

    • 著者名/発表者名
      立岡弓子
    • 総ページ数
      4
    • 出版者
      メディカ出版
    • ISBN
      978-4-8404-7915-8

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公開日: 2024-12-25  

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